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志学社選書 007

漢文の学び方

著:魚返善雄

紙版

内容紹介

気取らず、ユニークで、役に立つ。これぞ魚返流漢文学習法!

魚返先生は、学習者として、そして教師として長年深く漢文に関わり、
「漢文とは一体なんだろう?」と長年頭をひねってきた人です。

その先生が導き出した答えは、
「漢文は符号語であり、一種の暗号言語である」というものであります。

では、この──現代中国人にすら読解が極めて難しい──暗号言語を、
われわれ日本人はどのように学習していくべきでありましょうか。
それにはまず、漢文に対する誤解を取っ払い、暗号の法則(文法)をつかみ、
そして幅をもたせて訓読していくことである、と魚返先生は語ります。

本書は気取らない文体で書かれた「学び方」の参考書でありますが、
現代、そして未来の読者が漢文の本質に近づくとともに、
あわせて日本語の姿をかえりみるよすがにもなると信じ、
七〇年ぶりにこの名著を復刊するものであります。

※本書は1953年至文堂刊行の原著に、例文の詳細な出典を追加するなどし、
 より読みやすく、より学びやすくした復刊書籍です。
※本書は所謂「受験用漢文の参考書」とは異なります。

目次

一  漢文は誤解されている
二  話し言葉と書き言葉
三  文体のX・Y・Z
四  漢文の始まり
五  竹ベラにウルシで書く
六  漢文は暗号である
七  漢文はラテン語以上
八  漢文訓読の理由
九  漢文とシナ語は別物
一〇 漢文と国語の関係
一一 学習者の出発
一二 漢文的なもの
一三 漢字を正確におぼえよ
一四 部首と音訓索引
一五 「形・音・義」「義・音・形」
一六 漢語と「漢語まがい」
一七 中国の連語と日本の漢語
一八 漢文調の日本文
一九 本格的な漢文
二〇 過去の教科書
二一 現在の教科書
二二 教科書の批判
二三 純粋漢文と古典文学
二四 訓読は幅を広く
二五 漢文音読論の批判
二六 漢文の文法
二七 主体語(subjectives)
二八 代名詞(その一)
   練習問題(一)
二九 代名詞(その二)
三〇 代名詞(その三)
三一 代名詞(その四)
   練習問題(二)
三二 名詞(その種類)
三三 名詞(その構造)
   練習問題(三)
三四 名詞の同類
三五 説明語(descriptives)
三六 動詞(完全と不完全)
三七 繋詞
   練習問題(四)
三八 助動詞
三九 形容詞
   練習問題(五)
四〇 副詞(その一)
四一 副詞(その二)
   練習問題(六)
四二 連結語(connectives,その一)
四三 連結語(その二)
   練習問題(七)
四四 連結語(その三)
四五 表情語(ejaculatives,その一) 
四六 表情語(その二)
四七 表情語(その三)
四八 漢文のテクスト
四九 漢文と華語の距離
五〇 古代の詩の見本
五一 古代の論説文
五二 中世の散文の見本
五三 中世の詩の見本
五四 近世の文語文
五五 現代の文語文
五六 日本漢文の見本
五七 中国人と文学
五八 殷・周の時代
五九 漢・六朝
六〇 唐の文と詩
六一 宋・元時代
六二 明・清の小説
六三 現代中国の文学

附録 魚返善雄著作一覧

著者略歴

著:魚返善雄
1910年、大分県日田町(現・日田市)に生まれ、同県玖珠郡北山田村戸畑(現在の玖珠町)で育つ。1926年に大分県立日田中学校を修了し、上海の東亜同文書院に入学する。1929年、同校四年時に病気にのため中退し、療養生活ののち、1933年に上京、翌年に文部省教員検定試験(支那語科・英語科)に合格し、財団法人日華学会の経営する東亜学校の教師となる。1937年に日華学会理事、同年には日本放送協会嘱託として中国北京放送を担当した。1939年に東亜学校を退職し、東京大学の非常勤講師(支那語講座)を1966年まで27年間つとめ、他の大学にも出講する傍ら、旺盛な文筆活動を行なった。中国語、言語学、中国文学(翻訳)等、著書は90冊を数える。1966年3月27日没。

ISBN:9784909868060
出版社:志学社
判型:4-6
ページ数:208ページ
定価:2000円(本体)
発行年月日:2022年04月
発売日:2022年04月06日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:CB
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:CF
国際分類コード【Thema(シーマ)】 3:CJ
国際分類コード【Thema(シーマ)】 4:2GDC