古典文学研究の対象と方法
他編著:佐々木 孝浩
他編著:佐藤 道生
他編著:高田 信敬

内容紹介
上代から近世まで、38名の研究者による、文献に基づく実証的な論考群。
対象が明示されているもの、そうではないもの。方法論が表立つもの、そうではないもの。それら全体が、古典文学研究の対象と方法のありようを、浮かび上がらせる。
目次
まえがき
◇本のこと—書物・伝本・断簡—
伝寂蓮筆六半切『古今和歌集』断簡—藤原基俊本に関わる本文の集成と補考—◉久保木秀夫
尊円親王筆『風雅和歌集』断簡 拾遺—『風雅和歌集 校本と研究』補遺(二)—◉石澤一志
勅撰和歌集と巻子装 続稿◉佐々木孝浩
『和漢朗詠集』粘葉本と近衛本との関係—文字の崩し方・書に関する考察—◉山本まり子
『源氏物語歌合』丙本に関する若干の考察◉中島正二
◇和歌と歌学
万葉集の文学圏—有間皇子詠と追和歌群の採録—◉池田三枝子
類聚古集長歌の片仮名訓◉新沢典子
歌合判者が自歌を判ずるとき—俊成と定家の判詞を中心に—◉幾浦裕之
『俊成卿女集』自撰部と『源氏物語』—巻頭・巻軸歌群再読—◉田口暢之
久明親王の和歌◉中川博夫
歌会作法の変遷—飛鳥井家一首懐紙三行五字説を例に—◉川上一
室町・戦国の武家と歌合—冷泉為和判歌合をめぐって—◉小川剛生
将軍への詩歌献上—寛政三年中秋良夜詩歌をめぐって—◉一戸渉
『顕注密勘』の「今案」◉新田奈穂子
『毎月抄』の〈読者〉考◉渡邉裕美子
「冷泉家流伊勢物語古注」はいかなる意味で「冷泉家流」か◉舘野文昭
◇物語・随筆・説話
里人は車きよげに—『枕草子』の表現基盤—◉高田信敬
入内拒否をめぐる天皇・東宮側の反応—竹取・うつほから源氏物語へ—◉栗本賀世子
『平家物語』伝貞敦親王筆切—紹介と考察—◉平藤幸
活字から見た嵯峨本—『徒然草』とその前後—◉小秋元段
小松帝説話をめぐって◉河田翔子
ポルトハイム財団民族学博物館蔵『舌切雀絵巻(仮)』について—嶺田楓江と舌切雀説話—◉杉山和也
湛睿説草と『発心集』『唐物語』◉高橋悠介
雲に乗る織女の誕生—董永説話の織女イメージの変容をめぐって—◉宇野瑞木
◇漢詩と漢学
王朝漢語の源泉—句題詩の世界—◉佐藤道生
干支異名考—観世流謡本「正保耶査本」を契機として—◉伊倉史人
祇園南海作新井白石六十寿賀詩について◉堀川貴司
姮娥奔月の故事と破題表現—「偸艶」の背景—◉山田尚子
五弓雪窓の見た明治初期東京漢詩文壇—関西大学図書館蔵『晩香館日記』を手がかりに—◉合山林太郎
古城坦堂蔵書の旧蔵者について◉住吉朋彦
◇連歌と俳諧
「乱れ碁」と盤上遊戯乱碁と囲碁—正徹を起点とする連歌表現とその源氏寄合化—◉生田慶穂
宗因「春やあらぬ」連歌百韻考—前書「奥州紀行」との関わりを中心に—◉深沢了子
許六自筆「詩句文巻」からみる彦根蕉門の幕開け◉牧藍子
森川許六『和訓三体詩』序跋にみえる歌論と詩論について◉金文京
◇近世の雅俗
小沢蘆庵と松村呉春の画賛—作品としての書簡—◉加藤弓枝
義門『活語指南』における和歌の俗語訳◉遠藤佳那子
盗賊「柿木金助」の系譜—金の鯱の鱗を盗んだ男—◉神林尚子
九女八の「高橋お伝」◉佐藤かつら
執筆者紹介