新訳十六夜日記
著:島内 景二
内容紹介
NHKラジオ第2放送で、2023年4月から再び「古典講読・日記文学をよむ」を担当。
『源氏物語』や和歌、日本文化の正統をつたえる——使命感に燃える作者の体温を生き生きと感じる「新訳」。
阿仏尼55歳の頃の日記。藤原定家の息子である夫・為家の死後、遺産をめぐる訴訟のため、都から東海道をくだって幕府のある鎌倉へと赴く旅路を描く。
彼女の苦悩も絶望も、わたしたち現代人となんと似通っていることか。
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目次
はじめに……『十六夜日記』への誘い
【Ⅰ】私はなぜ、旅人となったのか
0 標題
1 私の悩みの種は、親不孝な者たちである
2 私は、「和歌の道」を守りたい
3 和歌の家を守るために、いざ鎌倉へ
4 旅立ちは冬だった
【Ⅱ】惜別の賦
5 亡き夫の枕
6 為相との別れ
7 為守との別れ
8 出家している二人の息子の和歌
9 娘との別れ
【Ⅲ】東海道の旅の日録
10 弘安二年十月十六日 都から守山まで
11 十月十七日 守山から小野まで
12 十月十八日 小野から笠縫まで
13 十月十九日 笠縫から一の宮まで
14 十月二十日 一の宮から八橋まで
15 十月二十一日 八橋から渡津まで
16 十月二十二日 渡津から引馬まで
17 十月二十三日 引馬から見附まで
18 十月二十四日 見附から菊川まで
19 十月二十五日 菊川から手越まで
20 十月二十六日 手越から「波の上」まで
21 十月二十七日 波の上から国府まで
22 十月二十八日 国府から酒匂まで
23 十月二十九日 酒匂から鎌倉まで
【Ⅳ】鎌倉と都との往復書簡集
24 娘との往復書簡
25 京極派の歌人との往復書簡……藤原為子と藤原為兼
26 安嘉門院の女房との往復書簡
27 姉や妹との往復書簡
28 再び、娘との往復書簡
29 再び、藤原為子との往復書簡
30 三度、藤原為子との往復書簡─「瘧病」に罹って
31 四度、藤原為子との往復書簡─時鳥をめぐって
32 鎌倉の時鳥、後日譚
33 為家の姉との往復書簡
34 息子・為相の五十首と、それへの批評
35 息子・為守の二十首と、それへの批評
36 最後は、五度、藤原為子との往復書簡で
37 往復書簡集を閉じるに当たって
【Ⅴ】勝訴を神に祈る長歌と反歌
38 鶴岡八幡宮に勝訴を願って奉納した長歌
38-0 長歌の前に
38-1 和歌の歴史は、わが国の歴史である
38-2 神々の歌から、人間の歌へ
38-3 和歌の絶大な力
38-4 勅撰和歌集の編纂事業
38-5 和歌の道の名門である御子左家
38-6 軽視される阿仏尼
38-7 押領された細川の庄
38-8 追い詰められた阿仏尼
38-9 鎌倉幕府を信じての東下り
38-10 四年の歳月の空費
38-11 荒廃してゆく和歌の故郷
38-12 神の力を信じたい
38-13 鎌倉幕府の公正な政治を信じたい
38-14 幕府の永遠と、和歌の道の永遠
39 反歌
【Ⅵ】裏書
40 注記の前に
41 俊成卿女(越部禅尼)の故事
あとがき
ISBN:9784909832764
。出版社:花鳥社
。判型:4-6
。ページ数:312ページ
。定価:2200円(本体)
。発行年月日:2023年06月
。発売日:2023年06月30日
。国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:DB。