スキマ歩きの日本語学
言語変化のダイナミズムを紡ぐ
著:金澤 裕之
内容紹介
研究対象から外れていた〝スキマ〟の領域——落語や漫才の口承芸はじめ、見逃されていた分野の言語現象を取り上げる。新しい観点で見直される単語や語法の数々。
目次
まえがき
Ⅰ 模索期 テーマを求めて
振り返り
1 コミュニケーションの変容――人と人とを繋ぐもの
2 力士名
3 落語の上方弁と漫才の上方弁
4 各地の方言生活の特色――関西
5 話芸におけることばの伝承と変遷――上方落語『阿弥陀池』の場合
Ⅱ 邁進期 目標まっしぐら
振り返り
6 二十世紀初頭大阪口語の実態――落語SPレコードを資料として
7 『近代大阪語変遷の研究』——あとがき
8 録音資料の歴史とその可能性
9 「なかった」新考
Ⅲ 遍歴期 大きな回り道
振り返り
10 助動詞「ない」の連用中止法について
11 接続詞「そして」について
12 大学生活を充実に過ごすために……――新用法発生の契機に関する一考察
13 自然習得者の丁寧表現について
14 『留学生の日本語は、未来の日本語』——「まえがき」と「あとがき」
Ⅳ 恬静期 ふたたびデータに
振り返り
15 『日本語教育のためのタスク別書き言葉コーパス』——あとがき
16 『SP盤演説レコードがひらく日本語研究』——「あとがき」に代えて 文字化を巡るこぼればなし
17 大正~昭和前期における「‐な」型形容詞の定着過程——SP盤演説・講演レコードを資料として
18 各種録音資料に見る、方向・場所を表す「へ」格と「に」格
19 『SP盤落語レコードがひらく近代日本語研究』——あとがき
20 漢字使用の面から見た学習者の表現能力の向上
Ⅴ 展望 そして、これから
振り返り
21 若者の言葉から見た日本語の未来
22 補助動詞「こなす」の拡張について
出典一覧
あとがき
索引