帝国幻想と台湾 1871-1949
他著:和田 博文
他著:呉 佩珍
他著:宮内 淳子
内容紹介
新聞・雑誌・書籍・ラジオ・映画・美術・食文化・ファッション──
いま鮮明になる日本統治下の台湾。
日本と台湾、双方の膨大な活字媒体を博捜して、徹底実証。
文学研究、歴史学、政治学や経済学など、学問ジャンルを跨いで、
近代日本人の異文化体験の実相を問う。
詳細な「関連年表」を附載。当時の写真多数掲載。
目次
総論 帝国幻想と台湾
Ⅰ 一九世紀後半~二〇世紀前半の台湾と帝国幻想
1 「化外の地」から文化的植民地へ 1871~1906
2 近代化建設と同化の困難 1907~1931
3 躍進台湾への変貌 1932~1936
4 日中戦争の始まりと皇民化運動の強化 1937~1940
5 「大東亜戦争」と帝国幻想の終焉 1941~1949
Ⅱ 植民地とモダニズム
1 都市景観──文化の複層性と風土
2 鉄道とツーリズム──観光対象としての植民地
3 統治と警察──被統治者のアイデンティティ
4 実業と糖業──花形産業の光と影
5 日本語教育──「国民」育成のための「国語」教育
6 医学と伝染病──公共衛生と台湾の近代医学
7 神社と仏閣──古来の神々と皇民化政策
Ⅲ 文化のなかの帝国
1 ラジオ──帝国の声をもたらす装置
2 映画──娯楽・芸術・国策のはざま
3 スポーツ──国民精神の涵養
4 演劇──統治か、覚醒か
5 美術──南方憧憬とエキゾティックな色彩
6 食──同化と差異
7 ファッション──都市をいろどる男女の姿
Ⅳ 日本統治期の出版・新聞メディア
1 台湾総督府──植民地の「知」の体系の構築
2 台湾日日新報社──台湾総督府との深い関わり
3 台湾新聞社──台湾中部の新聞社
4 台南新聞社──台湾南部の代表的新聞社
5 台湾の出版社──民間メディアの立ち位置
Ⅴ 日本統治期の雑誌メディア
【総合誌・グラフ誌】
『高山国』『旬刊台新』『新台湾』『台湾公論』『台湾青年』『台日グラフ』
【実業と社会事業】
『実業之台湾』『社会事業の友』『台湾』『台湾協会会報』『台湾警察協会雑誌』『台湾警察時報』『台湾建築会誌』『台湾実業界』『台湾自動車界』『台湾時報』『台湾社会経済』
【大東亜・皇民化・南進】
『薫風』『親民』『台湾大アジア』『台湾鉄工業統制会会報』
【日本語教育と学校】
『国語の台湾』『国光』『翔風』『青陽会会報』『第一教育』『台高』『台大文学』『台湾総督府国語学校校友会雑誌』
【博物学・民俗学・医学】
『台衛新報』『台湾博物学会会報』『万寿果』『民俗台湾』
【小説と詩歌】
『愛書』『あぢさゐ』『ガシユマル』『華麗島』『原生林』『紅檜』『新建設』『先発部隊』(『第一線』)『川柳国姓爺』『台湾芸術』『台湾新文学』『台湾文学』『台湾文芸』『熱帯詩人』『風景』『フォルモサ』『文芸台湾』『媽祖』『無軌道時代』『ゆうかり』『緑珊瑚』『若草』
【旅行とスポーツ】
『運動と趣味』『趣味登山会会報』『台湾運動界』『台湾山岳』『台湾鉄道』『台湾の旅』『旅と運輸』『旅と釣』
【映画・演劇・エンターテイメント】
『映画生活』『演芸とキネマ』『華光』『THE DANCE』『台湾芸術新報』『台湾日日写真画報』『台湾邦楽界』『ネ・ス・パ』
【婦人と児童】
『児童街』『台湾愛国婦人』『台湾婦人界』『童心』『婦人と家庭』
Ⅵ 資料編
関連年表 1871~1949
主要参考文献一覧
あとがき
人名索引