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和歌史の中世から近世へ

他編著:浅田 徹
他編著:小川 剛生
他編著:兼築 信行

紙版

内容紹介

新たな地平を切り拓く!

俊成以後、中世から近世へ〈動態〉としての新しい和歌史を補足することに成功した最前線の研究。28名による渾身の書き下ろし。

 *本論文集は、2018年に亡くなられた松野陽一先生に対するオマージュとして企図されたものである。

目次

はじめに
  ◆
『小侍従集』と「実定百首」…家永香織
二条天皇と管絃者―『言葉集』三一〇・三一一番歌私解―…中村文
『宝物集』の証歌―「心ある人」の位相―…紙宏行
中世歌物語というジャンルについて―平安末期から鎌倉中期の動向―…浅田徹
  *   *
俊成の時代の『伊勢物語』―歌枕「長岡」の誕生―…山本登朗
伝藤原為家筆『治承三十六人歌合』断簡…久保木秀夫
『千載和歌集』の成立過程―「うちぎき」から勅撰集へ―…渡邉裕美子
藤原俊成の判詞について―「まに」をめぐって―…渡部泰明
後鳥羽院歌壇の歌合と俊成判詞―社頭歌合判詞への視線―…安井重雄
『五社百首』についての覚書―歌道家成立の観点から―…吉田薫
俊成の祇園社奉納百首について…檜垣孝
八幡信仰と慈円『法華要文百首』―俊成の触発―…石川一
「追風」か「負風」か―藤原定家の仮名遣いと語義認識―…兼築信行
有心体の成立…寺島恒世
  *   *
巻子装の勅撰集―続千載和歌集を中心に―…佐々木孝浩
西行上人集の伝来…小川剛生
紫式部影の瑞夢と九条稙通―石山詣図幅関連文書の紹介―…杉本まゆ子
  *   *
実隆発句「梅が香を消えあへぬ雪やにほふらん」攷―道理と余情の問題として―…大谷俊太
脇坂安元旧蔵本について―『〔公任家集〕』を例に―…堀川貴司
仙台藩士茂庭綱元(了庵)の文事…綿抜豊昭
長嘯子『挙白集』と西行歌の転生…鈴木淳
和田以悦最晩年の文事―茶道庸軒流二世・藤村恕堅への『八雲神詠伝』の相伝をめぐって―…海野圭介
もう一つの「細道」続貂…深沢眞二
風客仁木充長―出生より享保十年まで―…久保田啓一
江戸の源氏学―『源氏物語伝来書』を起点として―…神作研一
後桜町天皇と近衛内前―朝廷政治と歌道伝受―…盛田帝子
歌枕から名所へ―和歌研究の視野に入れるべきか―…錦仁
窪田空穂による『源氏物語』の和歌注釈―与謝野晶子との対照性―…田渕句美子
  ◆
松野陽一略年譜
松野陽一業績目録
国文学研究資料館所蔵松野陽一文庫分類目録
  ◆
父との思い出……松野一秀
歳月を超えて耳に響く声……ロバート キャンベル
あとがき
執筆者一覧

著者略歴

他編著:浅田 徹
1962年、山口県生まれ。
お茶の水女子大学教授。
和歌文学・和歌史専攻。
シリーズ『和歌をひらく』全5巻(岩波書店、2005年、共編)、「中世後期法楽定数歌の機能について―速詠化、続歌との「棲み分け」―」(『和歌文学研究』110号、2015年6月)、「近世歌風史論序説―十八世紀から十九世紀へ―」(『近世文藝』112号、2020年7月)
他編著:小川 剛生
1971年、東京都生まれ。
慶應義塾大学文学部教授。
中世文学・和歌文学専攻。
『中世和歌史の研究 撰歌と歌人社会』(塙書房、2017年)、『二条良基』(人物叢書、吉川弘文館、2020年)
他編著:兼築 信行
1956年、島根県生まれ。
早稲田大学文学学術院教授。
日本中古・中世文学、和歌文学専攻。
「藤原定家最晩年の感慨―『名号七字十題和歌』の述懐歌から―」(『国文学研究』189、2018年10月)、「藤原定家(明静)の嘉禎三年」(『国語と国文学』96-12、2019年12月)

ISBN:9784909832276
出版社:花鳥社
判型:A5
ページ数:642ページ
定価:17000円(本体)
発行年月日:2020年11月
発売日:2020年11月26日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:DC
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:1FPJ