出版社を探す

新版 徒然草抜書

表現解析の方法

著:小松 英雄

紙版

内容紹介

古典の文章を解釈する方法はどのようにあるべきか

『徒然草』から、従来の解釈では理解しにくい章段を選んで解析。
表現の核心に迫ってゆく楽しさを提示した名著、待望の復刊!

*本書は講談社学術文庫版(1990年刊)に、あらたに小川剛生氏の「解説」を加えて刊行するものです。

目次

はしがき
謝辞
前言

序章 文献学的解釈の基礎
1 諸伝本の表記
2 二種類の仮名遣
3 清濁の識別

第一章 つれづれなるまゝに
1 つれづれなるままに
2 清むか濁るか
3 付かず離れずの関係
4 語源信仰の危険性
5 帰納される意味
6 母音交替形の意味領域
7 兼好の真意

第二章 うしのつの文字
1 謎を解いたのはだれか
2 文字習得の過程
3 「こいしく」の必然性
4 牛の角文字
5 すぐな文字
6 謎ときの筋道
7 かわいらしさの抹殺
付 かたかんなの和歌

第三章 土偏に候ふ
1 文字史からの検討
2 場面の理解
3 有房の意図
4 いづれのへんにか侍らん
5 質問と解答とのすれ違い
6 自筆原本の表記
7 中間のまとめ
8 どよみになりて
9 兼好の意図
補 「イヅレヘン」

第四章 蜷といふ貝
1 極端な異文
2 蜷といふ貝
3 文献資料にみえる「蜷」Ⅰ
4 文献資料にみえる「蜷」Ⅱ
5 兼好の意図
6 漢字表記の必然性
7 異文成立の理由
8 兼好の軌範意識
9 語形変化の動因

第五章 いみじき秀句
1 秀句の所在
2 法師は「法の師」か
3 法師とよばれない僧侶たち
4 惟継と円伊との人間関係
5 いみじき秀句
6 方法上の諸問題

結語

引用文献
解説(小川剛生)

著者略歴

著:小松 英雄
出生 1929年、東京。
筑波大学名誉教授。文学博士。

著書
日本声調史論考(風間書房・1971)
国語史学基礎論(笠間書院・1973:増訂版 1986:簡装版 2006)
いろはうた—日本語史へのいざない(中公新書 558・1979:講談社学術文庫・2009)
日本語の世界7〔日本語の音韻〕(中央公論社・1981)
仮名文の原理(笠間書院・1988)
やまとうた—古今和歌集の言語ゲーム(講談社・1994)
仮名文の構文原理(笠間書院・1997:増補版 2003:増補版新装版 2012)
日本語書記史原論(笠間書院・1998:補訂版 2000:新装版 2006)
日本語はなぜ変化するか—母語としての日本語の歴史(笠間書院・1999:新装版 2013)
古典和歌解読—和歌表現はどのように深化したか(笠間書院・2000:増補版 2012)
日本語の歴史—青信号はなぜアオなのか(笠間書院・2001:新装版 2013)

ISBN:9784909832191
出版社:花鳥社
判型:4-6
ページ数:392ページ
定価:2700円(本体)
発行年月日:2020年10月
発売日:2020年11月06日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:DNL
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:DS
国際分類コード【Thema(シーマ)】 3:1FPJ