出版書誌データベース

火野葦平の家系につらなり、高校時代から文学を志し、ジャズを中心にピアニストとして活動するかたわら、1980〜90年代に「ユリイカ」などに硬質でイメージと霊感に満ちた詩を発表し、2010年に自死した、音楽と詩の領土を自由に行き来した詩人・玉井國太郎の最初で最後の詩集。帯＝多和田葉子。表紙・カバーに画家・井上直の線描を配する。

或る報告（鳥の影の下で）
人類の食卓
桜くろにくる
窓をあけてください
ヴァンサン・スターシップ
貧しい時　（斜向のマチエール ／ 貧しい時／凍った遊戯）
不毛地帯の遊撃
アルベルトの祝日
夢見る力
言葉の現在・詩の現在 １９８５　 ───三十一のフラグメント
詩篇 １９９３年１月28日～31日
おおかみ追い
閃光
八月
卵の夢
種族
日程
叙景
幽霊
あさまたぎ風騒ぐうた
治水譚
夜の旅
迷宮論
橋の名前
沈黙の舌／ことば
夢見るリヴァプール
クロード・ドビュッシーの脳髄
バード
春
九月
眠りにつくに当って
夕映えの中で
（無題）
26人格のアリア　─合唱のためのドラマ─
ルフラン
略歴
みぞれを絡う桜（友田裕美子）
玉井史太郎氏から國太郎へ宛てた手紙
あとがき（友田裕美子）
索引

著：玉井 國太郎
玉井國太郎（本名　友田國太郎）
昭和34年 (1959) ９月５日 東京都杉並区　父・英氣 母・貴美子の長男として誕生（父・英氣は火野葦平次男、出生当時は葦平東京滞在時の書斎「鈍魚庵」に居住）その後東京都中野区へ転居
昭和47年 (1972) 東京都中野区立桃ケ丘小学校卒業
昭和50年 (1975) 東京都中野区立中央中学校卒業
昭和53年 (1978) 東京都立立川高等学校卒業
昭和54年 (1979) 中央大学文学部哲学科 入学
昭和58年 (1983) 中央大学を中退
平成22年 (2010) 4月 東京都八王子市の自宅にて自ら命を絶つ、享年５０歳