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事例に学ぶケミカルリサイクル技術入門

著:伊部英紀

紙版

内容紹介

本書は上記の社会的要請に応えるための資源回収や環境技術のひとつとして、多くの機関が取り組んできた廃プラスチック資源化、ケミカルリサイクルを取り上げ、特に2000~2010年頃に実施されてきた事例を中心に油化処理技術並びにその周辺技術を入門者へ概説しようとするものである。筆者はこれまで民間の一事業として同技術を検討し、実証機設計、実用機設計・運転や、それらの運転経験に基づく設備開発・改善を実施してきた。これまでの経験に基づいて、事業としてケミカルリサイクルプラントを計画、構築・推進する上での課題、解決策を技術的な側面ならびに社会制度面から整理した。また事業性評価の方法として、事業の効果を定量的に把握する方策についても紹介する。ケミカルリサイクルの合理的な実現を目指す、開発・設計者に資する情報を提供し、廃棄物処理問題の合理的解決の一助となることを目的とするものである。
(はじめに より一部抜粋)

目次

第1章 ケミカルリサイクル技術概要
1. ケミカルリサイクル技術とは
2. 廃プラ油化(ガス化)技術のこれまでの経緯
3. 廃プラ油化技術の基本原理
 3.1 プラスチックの種類とその熱分解特性
 3.2 ポリ塩化ビニルのケミカルリサイクル
 3.3 ポリエチレンテレフタレートのケミカルリサイクル
 3.4 熱分解技術
4. 廃プラスチック油化プラントの計画
 4.1 基本要件
 4.2 原料・前処理
 4.3 熱分解条件
 4.4 後処理・再生品品質
 4.5 安全設計
 4.6 プラント基本計画要件まとめ

第2章 事例1:一般系廃棄プラスチックのケミカルリサイクル
1. SPR油化プロセス開発の経緯
 1.1 パイロット実証試験
 1.2 プラント基本設計
 1.3 油化設備構成機器設計
 1.4 油精製設備
 1.5 前処理設備
 1.6 残渣処理設備
2. SPRプラント基本仕様
 2.1 プラント全体配置
 2.2 機器設備の設計仕様
 2.3 配管設計・施工設計
 2.4 生成物の回収設備
3. 課題とその解決策
 3.1 安全評価・設計
 3.2 監視制御システム
 3.3 脱塩装置配管
 3.4 現地工事
 3.5 建設コスト
 3.6 運転開始後の不具合点

第3章 事例2:医療系廃棄プラスチックケミカルリサイクル開発研究例
1. プロセス開発の概要
 1.1 滅菌処理技術でのプラスチック分解挙動
 1.2 熱分解油の分析
2. プラント開発仕様
3. 課題とその解決方策検討
 3.1 資源・エネルギーの回収率
 3.2 シール対策
 3.3 事業性について
 3.4 事業性改善の方策としての代替技術検討例

第4章 事例3:民間工場向け産業廃棄プラスチックのケミカルリサイクル
1. プロセス概要
2. プラント基本仕様
3. 課題

第5章 ケミカルリサイクルの事業性検討例

第6章 ケミカルリサイクルの今後の展望・議論
1. 脱塩技術の課題
2. 廃プラスチック油化プロセスのLCA
3. 安全設計
4. あるべき廃プラ油化事業
 4.1 プロセス規模
 4.2 分別・収集の方法
 4.3 生成物の販売
 4.4 環境負荷
 4.5 既設システムや他の社会インフラ施設との連携
 4.6 社会制度
5. 廃プラスチック処理の今後の課題まとめ
 5.1 一般系廃プラスチック油化処理
 5.2 産業系・医療系廃棄物処理
6. 今後の展望
参考文献

ISBN:9784909118486
出版社:AndTech
判型:B5
ページ数:94ページ
定価:8000円(本体)
発行年月日:2022年11月
発売日:2022年11月16日