季刊『Be!』は依存症・アダルトチルドレン・共依存・トラウマ・発達障害などさまざまな課題を抱えて生きる人と、援助者のための雑誌です。
◆特集 意外とわかっていなかった!?
「大切な自分」の育てかた
依存症やトラウマからの回復や、ACとしての課題に取り組むことは、言葉を換えれば、
「大切な自分」を育てていくことでもある。 ところが……
「自分をケアする能力は、他人にケアしてもらわないと育ちません。
他の動物と違って、人間は、誰かに教えてもらわないと自分の面倒が見られないのです」と小林先生。
自分を大切にするって、具体的にどういうこと?
【PART1】
自分をケアする能力は、他人にケアされないと育たない【小林桜児】
【PART2】
食べる・眠る・感じる・触れる――生活の基本と自己決定【大嶋栄子】
【PART3】
苦しさに気づいて抱きしめる――セルフ・コンパッション【中島美鈴】
【PART4】
援助職にとって「自分を大切にする」こととは【水澤都加佐】
◆依存症をめぐる
「自己責任論」と「スティグマ」
アルコール依存症は「意志が弱い人がなる病気」という誤解と偏見にさらされてきた。
依存症に限らず、最近では政治家による「飲み倒して運動もしない人の医療費を(健康保険で)払うのはあほらしい」
との発言も飛び出し、自己責任論が花盛りだ。
薬物依存症となると、誤解と偏見はさらに拡大し、当事者も家族も深刻なスティグマを負わされる。
スティグマはどうやって生まれるのか、どうすれば減らせるのか。
【1】「お酒」ではなく、すべて「あなた」の失敗なのか?(啓発ポスター)
【2】これは薬物依存症者に対する「ヘイトスピーチ」ですらある(テレビ番組)
【3】「意志が弱いから」という誤解はスティグマの温床。依存症はその代表例だ。【熊谷晋一郎】
◆【当事者座談会】ギャンブル依存症の予防を考える!
ギャンブル依存症からの回復に取り組む4人が集まり、自分たちの体験を踏まえて「予防に必要なのは何か」について話し合った。
出てきたポイントは5つ。
そして、ギャンブルをやっていた高校生の自分にかけてあげたい言葉とは――。
◆連載 依存の《入り口》に立つ子どもたち【秋山千佳】 2 自傷行為は減ったのか
「リストカットする子は減りましたね。今はLINEなんかで傷跡を友だちに見せようものなら、
『空気を読めない子』ということで引かれちゃうので」
中学校の養護教諭の言葉だ。
本当なのか? そこに何が起きているのか?
リストカットに代わって増えている「空気を読んだ」自傷行為とは?
2010年から各地の保健室を取材してきたジャーナリストの秋山千佳さんが、
子どもや若者の日常にぽっかりと開いた「依存の入り口」を綴る。