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葛藤と模索の明治

編:小林 和幸

紙版

内容紹介

明治とは、いかなる時代だったのか。維新を経て、近代国家の建設が目指されたが、現実の目標は多様だった。国家の独立や発展を優先する立場がある一方、国民の一人ひとりが自立した自由で平等な社会を理想とする人々もいた。明治日本に生きた人々は、それぞれに目的成就の道を探った。そこには多くの模索があり、葛藤と対立、さらに妥協と連携があった。本書は、そうした試行錯誤の連続のなかで近代日本が形成されていく姿を、あまり語られたことのない新しい視点から見直そうとする試みである。

目次

序                              小林和幸
第一部 変革を受けとめて
 第一章 旧幕臣の静岡移住の実態               加藤典子 
       ――千人頭志村源一郎の事例から―― 
 第二章 明治初期地方官界における旧藩勢力の形成と展開    友田昌宏
      ――「朝敵」旧米沢藩を事例として―― 
 第三章 明治政府による地誌編纂事業の開始          佐藤大悟
第二部 東アジアの中で
 第四章 江華島事件におけるボアソナード意見書と万国公法   小磯聡子
 第五章 漁業をめぐる一八八〇年代の日朝関係と対馬      佐藤良聖
      ―山田荒治事件を手がかりに―
 第六章 明治期日本の朝鮮における医療事業の展開       日向玲理
第三部 立憲政治の試み
 第七章 明治期の貴族院改革論               小林和幸
      ―谷干城、曾我祐準、伊藤博文、根本正による改造・改革論―
 第八章 立憲的制裁?                   原口大輔
      ―星亨除名事件の再検討―
第四部 明治の遺産
 第九章 日清戦後の工場法と農商務省            毛利拓臣
      ―農商工高等会議での議論に即して―
 第十章 佐藤栄作内閣と明治百年              市川周佑
      ―明治百年恩赦問題を中心に―

著者略歴

編:小林 和幸
青山学院大学文学部教授

ISBN:9784908672651
出版社:有志舎
判型:A5
ページ数:340ページ
定価:8800円(本体)
発行年月日:2023年06月
発売日:2023年07月07日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:NHF
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:1FPJ