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近代中国の国家と商人

税政と同業秩序のダイナミクス

著:金子 肇

紙版

内容紹介

中国では、改革開放以来、企業家を会員として同業で協力し合う同業組合=「行業協会」が復活し、中国経済に大きな影響を与えつつある。中国の同業組合は、清朝末期から中華民国期・中華人民共和国成立初期に生成・発展し、歴代の政府は同業組合に税の徴収を請け負わせてさえいた。しかし、こうした同業組合は、中国共産党による急激な社会主義化によって、1950年代後半にいったんは消滅していた。現代中国の国家・経済のあり方を考えるためにも、歴史的な視点から国家と同業組合との関係を考察していく必要があるのではなかろうか。

目次

序 章 問題の提起―近代中国の税政と同業団体―

第Ⅰ篇 清末・民国前期の税政と政治変動
 第1章 徴税請負と同業団体―認捐の普及とその構造―
 第2章 徴税請負と官商関係―袁世凱政権の認捐統制―
 第3章 国民革命と政治選択―上海商業聯合会の結成―
 付 章 武漢の商民協会と中小・零細商工業

第Ⅱ篇 民国後期の税政と同業秩序
 第4章 同業団体の再編とギルド的秩序―商民協会を対象に―
 第5章 規制と攪乱―世界恐慌前後の同業秩序―
 第6章 脱税事件と行政裁判―政府に抗う土酒商人―
 第7章 税の近代化と商慣習―劣化する戦後貨物税―
 第8章 税収確保と帳簿検査―潰える所得税の理念―
 
第Ⅲ篇 人民共和国成立期の税政と同業秩序
 第9章 同業秩序の政治化―抗米援朝運動と愛国業務公約―
 第10章 同業団体に依存する徴税―工商業税民主評議の実施―
 第11章 組織される徴税―失われる同業団体の徴税機能―

結 章 税政と同業秩序をめぐる対立と共棲

著者略歴

著:金子 肇
1959年生まれ。広島大学大学院教授

ISBN:9784908672583
出版社:有志舎
判型:A5
ページ数:450ページ
定価:7800円(本体)
発行年月日:2022年07月
発売日:2022年07月31日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:KCZ