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伝説のコレクター 池長孟の蒐集家魂

著:大山 勝男

紙版

内容紹介

《聖フランシスコ・ザヴィエル像》など多くの南蛮美術を蒐集し戦災の中を守り通した大富豪、池長孟。その波瀾万丈の生涯をたどる。

目次



第1章「聖ザヴィエル像」の発見と数奇な運命 9
▽隠れキリスタンの里で《聖フランシスコ・ザヴィエル像》発見 10
▽三〇〇年にわたる信仰が明らかに 12
▽日本人に好印象のザヴィエル 14
▽狩野派の絵師によって描かれたザヴィエル像 15
▽大名を捨て信仰に生きた戦国武将、高山右近 18
▽火災にあい、二つの櫃は灰 24
▽茨木市立キリシタン遺物史料館開館 25
▽渇望していた《聖フランシスコ・ザヴィエル像》を入手 27


第2章 大富豪、池長孟の誕生 31
▽己を信じる性格 32
▽〝カミソリ〟と呼ばれた父 36
▽道頓堀の初代グリコ看板ネオンも鮮やかに撮影 39
▽正枝と見合い結婚 41


第3章 植物学の権威、牧野富太郎を援助  43
▽公的奉仕のはじまり 44
▽論客・如是閑の勧めで池長が援助 47
▽独学で植物分類学の基礎を築く 49
▽七十八歳で研究の集大成『牧野日本植物図鑑』を刊行 50
▽池長植物研究所づくりへ 53
▽膨大な資料、整理が頓挫 56
▽池長植物研究所の開所式 59
▽池長の現実からの逃避? 62
▽二十五年間にも及んだ「池長問題」の決着 66
▽池長植物研究所跡 70



第4章 南蛮美術、波瀾万丈のはじまり 73
▽除隊後「兵庫の旦那はん」 74
▽世界一周の洋行で「美」に対する憧憬 76
▽型破りな校長の誕生 79
▽情操を養う「美の教育」を展開 81
▽妻正枝の突然の死去 85
▽教育環境の充実に努め校長を引退 87
▽美術品蒐集へのめざめと実家からの脱出 91
▽美術品を展示する「紅塵荘」 93
▽蒐集のはじまりから長崎絵展覧会まで 96
▽蒐集の協力者たち 99
▽「蒐集は、一つの創作であります」 101


第5章 芸術と文化と愛 105
▽映画評論家、淀川長治の姉とのラブロマンス  106
▽「お富さん」との同居生活は破綻 109
▽ユニークな戯曲作品を発表 112
▽谷崎潤一郎との出会い 114
▽文豪、谷崎と佐藤のたまり場 117
▽バー「アカデミー」で芸術談義 118
▽文化人が愛した老舗バー閉店、「壁画」だけが残った 121


第6章 昇華する南蛮美術蒐集 125
▽南蛮美術の華《泰西王侯騎馬図屏風》との出合い 126
▽表装そのものが、一つの独立した芸術 132
▽信長も「南蛮趣味」の虜 133
▽「天正遣欧少年使節」と秀吉 135
▽精力的な蒐集活動 138
▽日本美術品の大集成、『邦彩蛮華大宝鑑』出版 141
▽「池長美術館」開館 147
▽池長美術館、一般公開と戦況悪化 151


第7章 戦後の清貧と蒐集家魂 155
▽池長美術館、戦後は占領軍に接収 156
▽財産税を支払うために、紅塵荘売却 159
▽後の神戸市長、宮崎経済局長との交渉 162
▽簡素な家で悠々自適な暮らし 165
▽宿願の『南蛮美術総目録』が完成 169
▽池長さんこそはホントの幸せ者 171
▽阪神大震災と博物館 175
▽池長の子息、日本カトリック司教協議会会長を歴任 177
▽ザヴィエル像をめぐる不思議な出会い 179
▽池長の思いは受け継がれ 181

著者略歴

著:大山 勝男
1953年12月、神戸市生まれ。
週刊大阪日日新聞(大阪日日新聞)記者。
ノンフィクションライター。
【著書】
「あるシマンチュウの肖像」(みずのわ出版、NHKラジオ「心の時代」放映)
「愛しのきょら島よ―悲劇の北緯二九度線―」(沖洲通信社)
週刊金曜日「泉芳朗の闘い~奄美復帰運動の父~」(第十二回週刊金曜日ルポルタージュ大賞佳作)
「教科書密輸事件~アメリカ占領下の奄美教育秘史~」(第13回・同)を発表。「反骨の棋譜 坂田三吉伝」(現代書館)
「『大大阪』時代を築いた男 評伝・関一(第7代目大阪市長)」(公人の友社 毎日放送「ラジオドラマ化」)

ISBN:9784908342066
出版社:アテネ出版社
判型:4-6
ページ数:192ページ
定価:1400円(本体)
発行年月日:2017年10月
発売日:2017年10月31日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:DNB