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本願寺近代三代傳持全集 第十三巻

著:大谷 暢順

紙版

内容紹介

幕末・明治の動乱のなか宗門を教導した厳如(大谷光勝)、俳人句佛として知られる彰如(大谷光演)、そして宗教者・研究者・作家として日仏交流・現代思想を先導する經如(大谷暢順)。本願寺の三上人の著作・文化芸術を網羅した全集が発刊しました。
第13巻は經如(大谷暢順)「蓮如上人の巻二」と題し、論考「真宗の信仰」、蓮如上人言行録の注釈書『蓮如上人・空善聞書』、上人の半生と教えの要諦を説く『歴史に学ぶ蓮如の道』を収録。

目次

Ⅰ 真宗の信仰
 はじめに
 一、信心正因
 二、称名報恩
 三、平生業成
 まとめ
Ⅱ 蓮如上人・空善聞書
 凡例
 空善聞書 
  一 功成名とげ
  二 大勢のなかにて
  三 かへもの
  四 願力无窮
  五 須の文點
  六 炎魔王
  七 やすきこゝろ
  八 世間に物をくわず
  九 九月十月まで也
  一四 今生をば諸神をたのむ
  一五 淨土門に四け流
  一六 はやものしりがほ
  一八 盲目はしらずみず
  二二 かみにも仏にもなれぬれば
  二三 念仏の流まち〳〵
  二四 御うしろに腫物
  二五 機をまもりてゆるす
  二六 本寺のなんになる
  二七 仏法には捨身の
  二八 无碍光の御本尊(焼残り名号)
  二九 ずいりん庵
  三〇 神は済度のむ子を
  三一 愚禿と御なのり
  三二 (義材出陣中)
  三三 われはわかき時より
  三四 平座にて
  三五 人師戒師すまじ
  三六 慢の字
  三七 なに事も金言
  三八 大身は小身に身を持てば
  三九 おれがしたるものなれども
  四〇 諸堂神の前にては礼拝まきぜに
  四一 おれほど名号かきたる
  四二 わが衣すみぞめに
  四三 延徳四五月、大雨
  四四 細川の龍安寺殿
  四五 ほうがしはの花五つ
  四六 疫癘とて
  四七 即得と即便と
  四八 舟によひまします事
  四九 因願は十念とちかひ
  五〇 はじめをはりひしと他力
  五一 はじめたるところへゆくべき
  五二 三恒河沙の諸仏……往生する人四人か五人か           
  五三 加賀のあき(下間蓮崇)
  五四 自力の念佛
  五五 とをく宿縁をよろこべ
  五六 称名ある処、わがあと
  五七 道徳、念仏申さるべし
  五八 (言南無者……)〔善導六字釈〕
  五九 つみはいかほどあるとも
  六〇 順讃御わすれ
  六一 念称是一
  六二 五つの不思議をとくなかに
  六三 御たすけ候へ〔善導六字釈〕
  六四 よしなき自力の……〔安心決定鈔〕
  六五 弥陀大悲のむ子のうち〔安心決定鈔〕
  六六 他宗にはつとめをして廻向……(勤行の意味)
  六七 聖教をよくおぼえたりとも……
  六八 開山聖人の御再誕(空善のゆめ)
  六九 (報恩講)ひそやかに
  七〇 教化するひと、まづ信心を決定
  七一 うれしさに念仏
  七三 歳末の御礼には信心を
  七四 懈怠することあるとも
  七五 御たすけありたる事のありがたさ
  七六 信心なき人には御あひあるまじ
  七七 安心をとりてものをいはゞ
  七九 五濁悪世のわれらこそ〔和讃〕
  八〇 南無の无の字
  八一 十方无量の諸佛の〔和讃〕
  八二 めうしのつのは
  八三 鳥部野を
  八四 (照如得度)
  八五 御影、空善に御免
  八六 (御伝鈔朗読)
  八七 本願寺をわろくおもふもの
  八八 (安城の御影)と(慕帰絵詞)
  八九 諸佛三業〔和讃〕
  九〇 憶念の心つ子に〔和讃〕
  九一 往生のた子
  九二 その功徳わがものに
  九三 (細川政元)(長享一揆)
  九四 浅井の後室
  九五 つみきえ、つみきえず(一念発起)
  九六 不廻向〔和讃〕
  九七 无生の生
  九八 廻向といふは
  九九 つみけして、つみけさずして(一念発起)
  一〇〇 身をすてゝ平座にて
  一〇一 門徒にもたれたり
  一〇二 愛欲の広海に
  一〇三 案内をも申さず、ひと〴〵のおほくまいり
  一〇四 御寿像御免
  一〇五 報恩講に御上洛なし
  一〇六 信心なき人にはあふまじ
  一〇七 御母は西国の人
  一〇八 御堂衆……無道心なり
  一〇九 すえの人なれど信心ある
  一一〇 信心のなきものをみれば
  一一一 御恩をしれ……よりは信心決定して
  一一二 衣はねずみ色
  一一三 信のなきものをつれてくる
  一一四 鳥さしの狂言
  一一五 光闡坊様御上洛
  一一六 ひゑのかゆ(奥州へ御下向)
  一二一 うしろさまに御輿
  一二三 大坂殿建立
  一二五 心中をありのまゝにいはざるものは
  一二六 御文てにはわろくとも
  一二七 教行証の名目
  一二八 あかぬは君の仰
  一二九 信心をえたる人はをとゝ
  一三〇 御葬所御用意
  一三三 ど井を御覧
  一三四 御のりものをうしろさま
  一三七 御遺言……信心をよく〳〵とられ
  一四一 御影様へ御いとま
  一四二 うぐひすは法ほきゝよ
  一四四 御馬を御臥の御そばへ
  一四六 兄弟たち仲よかれ
  奥書
  見返し
 蓮如の生涯
 空善と『空善聞書』
 人名一覧
 地名一覧
 あとがき
Ⅲ 歴史に学ぶ蓮如の道―日本再生を求めて
 讃序 蓮如イスムの新鮮さ(瀬戸内寂聴)
 はしがき
 第一部 信仰と教化の人・蓮如
  第一章 部屋住時代
   一、聖教耽読の年月
   二、不遇の境涯を耐える
   三、回心の時尅
  第二章 本願寺継職
   一、本願寺を真宗教化の道場とする
   二、真宗の教義を闡明、確立
  第三章 比叡山の難事
   一、蓮如以前の大谷廟・本願寺
   二、本願寺坊舎破壊
   三、叡山と和睦の決断
   四、湖西の布教
  第四章 吉崎寺内町建設
   一、興福寺大乘院経覚
   二、吉崎移住
   三、北陸門徒の寺内町
 第二部 蓮如に学ぶ
  第一章 新時代への模索
   序、宗祖親鸞の教を戰国時代に再生
   一、人間性の目覚め・鎌倉佛教
   二、鎌倉佛教と西洋近代思想の共通性
   三、鎌倉佛教から室町佛教へ
  第二章 蓮如道
   一、道義
   二、現世利益と来世の利益
   三、神佛習合
   四、和光同塵
   五、八幡神
   六、神功皇后
   七、宇佐神宮と八幡信仰
   八、恩
 第三部 明治以後の日本を考える
  第一章 明治維新と明治時代
   一、ヨーロッパ諸国の世界征服、支配
   二、清国蚕食
   三、日清戰争と三国干渉
   四、北清事変
   五、日露戰争及びその戰後
   六、創業と守成
   七、守成に転じる蓮如
  第二章 アメリカ合衆国、第一次世界大戰
   一、アメリカの建国と膨張主義
   二、第一次世界大戰
   三、戰勝国日本の慢心
  第三章 失路の日本外交
   一、国際連盟と満洲事変
   二、日本、アメリカの術中に嵌まる
   三、ワシントン会議と九ヶ国条約
   四、所謂廿一ヶ条
   五、四国借款団
  第四章 シベリヤ出兵
   一、出兵開始
   二、白系ロシヤ政権の樹立と瓦解
   三、龍頭蛇尾の結末
   四、日英同盟廃棄
   五、日ソ(日露)関係修復
  第五章 総括(我国の再生を願って)
   一、維新から日露戰争迄
   二、日露戰争から第一次世界大戰迄
   三、十年間の歳月を空費
   四、第一次世界大戰後の外交失態
   五、日本と日本人の將来を騁懷すべし
 引用原典一覧
 経覚経歴
 明治以後の日本と世界 年表
 著者インタビュー 蓮師の智慧を世界へ
解説・解題
 解説 蓮如上人の巻二に就いて
 解題

著者略歴

著:大谷 暢順
昭和四年(一九二九)京都生まれ。東京大学印度哲学梵文学科卒業後、同大学大学院仏文学科修了。ソルボンヌ高等学院卒業。パリー第七大学文学博士。名古屋外国語大学名誉教授。フランス共和国よりパルム・アカデミック勲章受章。スリランカ政府よりグレート・サーサナ・ラトナ勲章叙勲。現在、本願寺法主、一般財団法人本願寺文化興隆財団理事長。著書に『蓮如〔御文〕読本』『蓮如上人・空善聞書』(ともに講談社学術文庫)、『ジャンヌ・ダルクと蓮如』(岩波新書)、『歴史に学ぶ蓮如の道』(海竜社)、『人間は死んでもまた生き続ける』(幻冬舎)、『蓮如上人全集』(編集、全五巻)、『私たちは今の世をどう生きるか』(ともに中央公論新社)、『日本と日本人の明日のために』(産経新聞出版)、『親鸞聖人集』(仏語)、『御文を通じて見たる蓮如上人の教理と実践』(仏語)など多数。訳書に安部公房『他人の顔』(仏訳)などがある。

ISBN:9784908318221
出版社:本願寺文化興隆財団
判型:4-6
ページ数:660ページ
定価:10000円(本体)
発行年月日:2020年06月
発売日:2020年09月28日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:QRFB