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ナショナルな欲望のゆくえ

ソ連後のロシア文学を読み解く

著:松下隆志

紙版

内容紹介

ゼロ年代のロシア文学とはなんだったのか。ソローキンなど数々の翻訳で知られる著者の初の単著にして、待望の現代ロシア文学論。
ソ連崩壊後のロシアでは、国家の形だけでなく文化や文学も多様化する。本書は90年代ロシアの新しい潮流として影響力を持った《ポストモダニズム》を軸に据え、ゼロ年代にいたる多彩なロシア文学の歩みを「一つの物語」として読む試み。現代思想やチェチェン戦争の影響など、現代ロシア文学をアクチュアルに一望する。

*2021年度日本ロシア文学会賞受賞。

装幀:宗利淳一/装画:田辺耕世

目次

序章 ロシア・ポストモダニズムとは何か
 
第1章 ポストモダン的「空虚」の諸相
 
第2章 現実とノスタルジーの狭間で――「新しいリアリズム」の台頭
 
第3章 ザハール・プリレーピン、あるいはポスト・トゥルース時代の英雄
 
第4章 再定義される社会主義リアリズム――エリザーロフ『図書館大戦争』
 
第5章 交叉する二つの自由――自由の探求から不自由の自由へ
 
第6章 アイロニーの終焉――ポストソ連ロシアにおけるチェチェン戦争表象
 
第7章 身体なき魂の帝国――マムレーエフの創作における「我」の変容
 
第8章 ナショナルな欲望の再(脱)構築――二〇〇〇年代以降のソローキン
 
終章 ロシア文学のゆくえ
  


  参考文献

  あとがき

著者略歴

著:松下隆志
1984年、大阪に生まれる。北海道大学大学院文学研究科博士課程修了。
訳書に、
ザミャーチン『われら』(光文社古典新訳文庫、2019)、
ウラジーミル・ソローキン『テルリア』(2017)、
同『親衛隊士の日』(2013)、
同『青い脂』(共訳、2012、以上河出書房新社)
など多数がある。

ISBN:9784907986629
出版社:共和国
判型:菊判変
ページ数:308ページ
価格:2800円(本体)
発行年月日:2020年02月
発売日:2020年02月29日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:FB