遊廓のストライキ
女性たちの二十世紀・序説
著:山家 悠平
紙版
内容紹介
逃げる! 戻らない!—— それが「活用」されることを拒んだ彼女たちの選択だった。
関東大震災からの復興を経て、モダニズムの時代として評価されることが多い、1920〜30年代。この時期に隆盛をきわめた労働争議と呼応するように、公娼制度下で「籠の鳥」と呼ばれた遊廓の女性たちが、自分の生と性を男社会から奪還するべく、立ち上がった——。青森、大阪、広島、佐賀、福岡など各地の史料をつぶさに読み込み、無名の女性たちの実像に肉薄する。近現代女性史の空白を埋める貴重な成果。
目次
はじめに
語られなかった歴史を語るということ
第1章芸妓・娼妓を取り巻く環境
遊廓の「近代」の始まり/廃娼運動の誕生/廃娼運動への批判的視座
第2章遊廓のなかの女性たち
閉ざされた門のなかで/識字率の上昇と情報の流入/遊廓を離れてから
第3章一九二六年の大転換
遊廓の改善という世論の高揚/新聞にあらわれる「娼妓」たち
第4章実力行使としての逃走
逃走の時代の幕開け/広島、弘前、ふたつの直接行動/逃走の時代のあとに
第5章逃走からストライキへ
凋落する遊廓/大阪、松島遊廓金宝来のストライキ/佐賀、武雄遊廓改盛楼のストライキ/遊廓のなかの女性たちが「求めたこと」
おわりに
「解放」と「労働」の境界で
註/参考文献/あとがき
ISBN:9784907986063
。出版社:共和国
。判型:A5変
。ページ数:276ページ
。定価:3200円(本体)
。発行年月日:2015年03月
。発売日:2015年03月08日
。国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JBF。