目次

第一部　史料読解から歴史像の彫刻へ第1章　セレウコス朝期におけるティグリス河畔のセレウケイア─古典文献の叙述を通して 田中穂積
　第2章　エジプトは『折れた葦』か？─前一千年紀のエジプト史再考に向けて 藤井信之
　第3章　アヤ＝ソフィア博物館南階上廊におけるHenricus Dandoloの銘の刻まれた大理石板について 相野洋三
　第4章　小松済治の伝記史料の「批判的」検討─十九世紀後半の日独交渉史の研究のために 荒木康彦

第二部　キリスト教世界の史的構図
　第5章　エルサレム王アマーリック一世のエジプト遠征 梅田輝世
　第6章　イングランド宗教改革期の教区教会と教会巡察 山本信太郎
　第7章　カトリックと女性聖職者─開かれた議論のために 赤阪俊一

第三部　近世社会史研究の新しい切口
　第8章　近世フランスにおける狩猟書の世界─デュ・フイユー『猟犬狩』を手がかりに 阿河雄二郎
　第9章　デンマークにおける土地緊縛制廃止（一七八八年）について 佐保吉一
　第10章　近世ロンドンの社会統制─貧民の道徳化をめぐって 乳原　孝

第四部　歴史世界における政治と軍事
　第11章　タグマの兵力をめぐる考察─中期ビザンツ帝国における「中央軍」 中谷功治
　第12章　一九二〇年代イギリス海軍の極東防衛構想 山口　悟
　第13章　戦間期ドイツの「国防軍参謀本部」構想に関する一考察 八木希容子
　第14章　ヘンリー・ブラッケンベリーとイギリス陸軍省情報部　一八八六年─一八九一年 根無喜一

第五部　現代史像の陰影
　第15章　ナチ強制収容所の「抑留者社会」─近年の研究動向によせて 飯田収治
　第16章　初代連邦大統領テオドーア・ホイス─二十世紀ドイツ社会に生きたある政治家の肖像 爲政雅代
　第17章　ウッドロー・ウィルソン政権とシベリア出兵政策の変容─第一次世界大戦終結前後を中心に 高原秀介