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ユージーン・スタジオ 新しい海

著:ユージーン・スタジオ
他解説:デイヴィッド・ギアーズ
他解説:福岡伸一

紙版

内容紹介

平成生まれの作家としては東京都現代美術館で初の個展を開催する、気鋭の現代アーティスト・寒川裕人によるユージーン・スタジオ。本書は平面作品から大型インスタレーション、映像作品、彫刻作品など、その多岐にわたる活動を明らかにする大規模個展の公式展覧会図録となります。代表作〈ホワイトペインティング〉シリーズ(2017年-)や《善悪の荒野》(2017年)から、大型の新作インスタレーション《海庭》などの最新作に至るまで、活動に通底する視点や発想、哲学を紐解きます。

寒川は個人的な関心から美術史、過去の事象や文明などの主題を並列に昇華させ、単なる二次元的なヴィジョンではなく、社会の環境や循環の中で生きる私たちの存在を立ち上がらせます。現実を見据えて未来へと漕ぎ出すための叡智を喚起させるこれらの作品群を振り返り、アーティストの言葉とともに紡ぐ、充実のアーティストブックでは、生物学者の福岡伸一氏との対談や『オクトーバー』誌や『フリーズ』誌に寄稿するアメリカの批評家 デイヴィッド・ギアーズ氏の論考などを通して、ジャンルを超えた多面的な作品世界の深みをさらに掘り下げます。

目次

ごあいさつ
アーティストステートメント

ユージーン・スタジオ-寒川裕人 まなざしのゆくえ
丹羽晴美 東京都現代美術館 学芸員

海庭
ホワイトペインティング

モノクロームのなかの情念
デイヴィッド・ギアーズ

レインボーペインティング
想像 #1 man

ピュシスのしっぽをつかまえる
対談 福岡伸一× 寒川裕人

私は存在するだけで光と影がある
私にはすべては光り輝いて映る
Our dreams|夢
ゴールドレイン
小さな共通項(36人で同時に見上げた空)
この世界のすべて
あるスポーツ史家の部屋と夢 #連弾
善悪の荒野
物語の整地

作品リスト
謝辞

著者略歴

著:ユージーン・スタジオ
EUGENE STUDIO(ユージーン・スタジオ)/寒川裕人(Eugene Kangawa、1989年アメリカ生まれ)の日本を拠点とするアーティストスタジオ。個展「THE EUGENE Studio 1/2 Century later」(2017年、資生堂ギャラリー)や、完全な暗闇で執り行われる能のインスタレーション「漆黒能」(2019年、国立新美術館、シテ方・大島輝久)を開催。その他「89+」展(2014年、サーペンタイン・ギャラリー、ロンドン)への作品提供、「資生堂ギャラリー100周年記念展」(2018-2019年)におけるイギリスの建築家集団アッセンブルとの協働、「de-sport」展(2020年、金沢21世紀美術館)への参加、アメリカを代表する現代SF小説家ケン・リュウとの共同制作『ALTER』(2017年)など。現在、短編映画2本(2021年、アメリカ、日本)が、ヒューストン国際映画祭で最高賞受賞、その他10以上の国際映画祭で受賞やオフィシャルセレクションへの選出が続いている。
他解説:デイヴィッド・ギアーズ
デイヴィッド・ギアーズ/ニューヨークを拠点に活動する美術批評家。著作は『October』『Frieze』『Fillip』『BOMB』『The Brooklyn Rail』『The Third Rail Quarterly』を始めとする出版物に掲載されている。絵画、政治、テクノロジーの収束を主眼に置く近年の論考には、「Neo-Modern」(October No. 139, Winter 2012)や「Formal Affairs」(Frieze, No. 169, March 2015)、「Acts of Recognition」(Frieze, No. 191 November–December 2017)などがある。
他解説:福岡伸一
福岡伸一(ふくおかしんいち)/生物学者。1959年東京生まれ。京都大学卒。青山学院大学教授・米国ロックフェラー大学客員研究者。『生物と無生物のあいだ』、『動的平衡』シリーズなど、“生命とは何か”を動的平衡論から問い直した著作を数多く発表。大のフェルメールファンとしても知られ、『フェルメール 光の王国』を上梓。近著に、『迷走生活の方法』『生命海流 GALAPAGOS』。朝日新聞に冒険小説「新ドリトル先生物語」を連載中。

ISBN:9784907562342
出版社:torch press
判型:B5変
ページ数:220ページ
定価:3800円(本体)
発行年月日:2022年01月
発売日:2022年01月24日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:AGA