出版書誌データベース

本書は、フマガッリを卓越した歴史家として世に知らしめた珠玉の4つの論考「中世の夜明け」「空が陰るとき」「生きている石」「孤独な肉体」を収めたものである。

ジャック・ル＝ゴフをはじめとするアナール学派の歴史家たちから高い賞賛を受け多くの言語に翻訳されている名著。

○ はじめに

○ 第一部　中世の夜明け
目次
序章
第一章 オオカミが盲目になる土地
第二章 苦痛の風景
第三章 夜の支配
第四章 世界の終わり
第五章 希望のしるしのもとで
第六章 過去への嘆き、現在への畏れ
第七章 人間とオオカミ
第八章 農民修道士
参考文献

○ 第二部　空が陰るとき
目次
序章
第一章　空が陰るとき
第二章　自然と人間
第三章　生者と死者
第四章　肉体の美
第五章　狩猟
第六章　暴力
第七章　戦争
第八章　貴族階級
第九章　聖職者階級
第十章　良心の危機と生き方の変化
参考文献

○ 第三部　生きている石
目次
序章
第一章　死んだ都市
第二章　要塞都市
第三章　都市の神話
第四章　紀元一千年―風景の変化
第五章　紀元一千年後の都市
第六章　市民階級の倫理
第七章　開墾地の風景
第八章　人間と自然、人間対自然
第九章　人間と自然によって苦しめられた風景
第十章　都市と死者
第十一章　都市、農村、動物
訳注図　［ポー川流域　〈中世初期～盛期（十世紀前後）〉］　
参考文献

○ 第四部　肉体の孤独
目次
序章
第一章　世界の侮蔑
第二章　《完全なる者》と《不完全なる者》。困難な完徳
第三章　夜の幻想。人間という種の不運
第四章　鈍感な肉体。抑圧から無感覚へ
第五章　はじめにあるのは精神的なものではなく、動物的なものである。身体の弁護
第六章　肉体の反乱。肉体の根拠
第七章　贖罪せよ。糾弾された快楽
第八章　己の肉体にそれが必要とするものを与えよ。兄弟としての肉体
第九章　弱い性。女性
参考文献

著者プロフィール
訳者プロフィール

［共通］
各部ごとに「訳者まえがき」「訳者あとがき」があります

著：ヴィート・フマガッリ
ヴィート・フマガッリ　Vito Fumagalli（1938_1997 年）［著］
パルマ近郊のバルディ生まれ。ピサ高等師範学校、ピサ大学文哲学部で中世史を学んだ後、ボロー
ニャ大学中世史教授を務めた。代表作として『中世イタリアの都市と田園』（1985 年）、『中世の人間と風景』（1986 年）、『マティルデ・ディ・カノッサ： 中世女性の権力と孤独』（1996 年）、『歴史に対抗する人間たち』（1995 年）、『歴史を書くということ： 中世史家の考察』（1995 年）等がある。
生涯発表した論文数は約百五十本、著作数は約二十点に上る。多くの著作がヨーロッパ各国語に訳されているが、日本語訳は本書『畏れの景観』が一作目となる。
フマガッリの仕事は、ジャック・ル＝ゴフをはじめとするアナール学派の歴史家たちから高い賞賛を受けている。