奈良女子大学叢書 6
疫病と日本史
「コロナ禍」のなかから
編著:小路田 泰直
紙版
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内容紹介
今回のコロナ禍を大きな社会の構造的な歪みの現れととらえ、それが何かを突き止めようと試みる。また、歴史学は、飢饉や疫病を歴史のエピソードとしてとらえるのではなく、時代を動かす歴史の原動力としてとらえなくてはならない。第1部では前者の試みを、第2部では後者、つまり歴史学の生まれ変わりの手がかりをつかもうとする試みである。
目次
第一部 「コロナ禍」への問い
第一章 疫病と歴史の構造転換─スペイン風邪からCOVID-19へ 小路田 泰直
第二章 新型コロナウイルス禍と惨事便乗型政治の失敗 岡田 知弘
第三章 コロナ禍の「自粛要請」とその受容の精神史 住友 陽文
第四章 疫病国家論 田中 希生
第五章 新型コロナウイルス感染症対策の史的前提と専門家会議 西谷地 晴美
コラム1◉大学、専門家養成システムの衰弱──森有礼の呪い 小路田 泰直
第二部 疫病から読み解く歴史
第六章 近代日本の誕生と飢餓・疫病・戦争 小路田 泰直
コラム2◉「明治前期の都市と部落」再考──一八八六年のコレラ 小路田 泰直
第七章 隔てること・つなぐこと──奈良・平安期の疫病をめぐって 西村 さとみ
第八章 疫病と仏教導入とその日本化 斉藤 恵美
第九章 飢餓・疫病と農業・貨幣の誕生 村上 麻佑子