人でつむぐ思想史 Ⅱ ゴルギアスからキケロへ
著:坂口 ふみ
紙版
内容紹介
■ ひとの驚きと喜び、傷みと悲しみから、思想史を読み直す──人でつむぐ思想史。
悪名高いソフィスト、ゴルギアスから、政治闘争の渦中を生きたローマの弁論家キケロへ。
■ 言葉と論理、この虚妄なるもの──一方は、言葉の幻なるがゆえの自由さを愛し、他方は、
人の心をとらえ、政治を動かす言論の力を讃美した。この両者をつなぐものに、真理探求の
道とは異なる、もう一つの精神の態度を読み解く。
■ むしろ東方的な思考の伝統に近い、言葉の危うさと説得の力への愛は、超越的な真理に基礎づけられた理性の立場の陰で、近代以降どのような思想の地下水脈となったのだろうか。
目次
はじめに スペインの夏 Ⅱ キケロ
序章 幻を愛する人たち 第1章 人間の顔をした認識論
Ⅰ ゴルギアス 第2章 途上の思想
第1章 レトリックの古層 第3章『弁論家について』と普遍的教養
第2章 レトリック礼賛 終章 レトリックと懐疑論についてのスケッチ