詩集 花もやい
著:岡田 哲也
紙版
内容紹介
うぶすなの宙〈そら〉と地の間で、
遠い日の少年のまじなう声を聴くような、
岡田哲也の新しい詩世界。
**
わたしの声が 聴こえるか
それがわたしだと あなたにはわかるか
わたしは すぼみ
耳奥では ときじくの蝉が鳴いている
目交には ときおり飛蚊が舞っている
しかし わたしには あなたの声が聴こえる
あなたの沈黙すら ありありと見える ──「聴こえるか」より
目次
宙うた
わたしの青空 鯖によせて
浮き草
日 記 矢岳高原にて
沈丁花のころ
うぶげ
糸瓜のうた
Ⅰ 糸瓜の軽さ
Ⅱ 糸瓜の恋
Ⅲ 糸瓜もどき
Ⅳ 双六糸瓜
やぶつばき
桃の花のころ
コスモス
残りの月 五月二十四日
浜昼顔
ごほうび
地こえ
聴こえるか
おるすばん
杭のたそがれ
小春日情景
いろりばた
北風と椿
雨 糸
たらちね
Ⅰ なもたん
Ⅱ おまじない
ある日
日 記 焼酎とカラオケと
鮎のうた
Ⅰ 木の芽どき
Ⅱ 五月晴れ
千 鳥
かたすみのうた
あとがき