中国現代史の散歩道
歩き、見る、聞く、語り合う
著:姫田光義
内容紹介
中国現代史、中国共産党史の研究者が、研究の旅路で訪れた土地、出会った人々をとおして中国・中国人の素顔を生き生きと描く。
「本書は何十年も前からの『記録』の再録が中心で、それに若干付け加えたものです。自分で書いたものなのに、なに、これ、面白いじゃない(!)って感覚と同時に、なに、これ、変だよ、時代遅れで、現代とズレてるよ(!)って感覚とが交互に脳裏に浮かびます。・・・いずれにせよ、時代遅れの『時代』こそ、歴史なんだから、歴史研究者の端くれに繋がっていた者としては、その『時代相』を記録しておくのも多少は後世の人たちにお役に立つのでは(!?)と身勝手に考えて、敢えてここに恥をさらすものです。自画自賛と自我悲惨の複雑な心境です。」姫田光義
目次
はじめに:研究者・教育者として歩いた道
上海、延安、革命根拠地、経済特区を歩き、見る、聞く、語り合う
夕暮れの外灘:上海雑感1
劇場にて:上海雑感2
歴史遺跡をもとめて:上海雑感3
人間点描:上海雑感4
延安とオットー・ブラウンのこと
中国の革命根拠地(ソヴェト区)を歩く
深圳記:中国最大の経済特別区の生成・発展・“消滅”
歴史のなかの経済特区
中国管見
ウミは広いな大きいな:歴史研究者は船で旅すべし
イナカのバスはオンボロ車?!:地についた中国研究を
毛さん、あなたの延安はどこに行ったのでしょうね:聖地の恋
毛さん、あなたの延安はどこに行ったのでしょうね:聖地の恋(続)
終わらざる戦争: “撫順の奇蹟”と方正県日本人公墓
遥かなる山河に:近すぎて見えないこともある
霧社の思い出:大陸の「六・四」に追われて台湾へ
歴史家は神様!?:意識せざるその宿命
懐かしい偉大な中国人たち:陳平・趙安博・沙飛・歩平・魏宏運さん
陳平さんと歩き聞く:日本軍による「無人区化」された村々
趙安博さんに聞く:日中関係史の一断面
カメラで戦った中国人:沙飛(さひ)の愛と悲劇の生涯
歩平さんと魏宏運さんの思い出
歴史研究者として語り歌う:「撫順の奇蹟」といわれる歴史事実を世界記憶遺産に
日中間に広がる奇蹟の花・撫順の朝顔:夢にまで見た北京公演が実現して
世界記憶遺産に「撫順の奇蹟」を!:中国・東北大学での講演記録
学生に語り続けてきたこと:歴史研究と中国革命史
今、なぜ歴史学か
文革半世紀、何が変わり何が変わらなかったのか:私的経験から「撫順の奇蹟」へ
あとがき:少年老い易く学成り難し 一寸の光陰軽んずべからず