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『ドイツ・イデオロギー』の研究

初期マルクスのオリジナリティ

著:渡辺憲正

紙版

内容紹介

『ドイツ・イデオロギー』オンライン版にもとづいて唯物史観の形成過程を詳細に跡づけ、「カール・マルクス問題」解決への新視点を示す。
「マルクスが独自の理論家〈マルクス〉に生成したのは、紛れもなく初期においてのことである。それゆえ初期マルクスの理論生成史はそれ自体として、なお考察すべき価値の高い対象である。」(著者)

目次

序 論 初期マルクス論によせて

第1章 生成期のマルクス理論
1 ヘーゲル法哲学批判と土台゠上部構造論の形成
2 1843年の理論転換と市民社会概念の変容
3 市民社会分析:『経哲草稿』疎外論の性格
4 「歴史変革の論理」と共産主義の措定

第2章 イデオロギー批判の生成
1 フォイエルバッハ批判
2 ブルーノ・バウアー批判
3 ヘーゲル弁証法批判
4 《フォイエルバッハ・テーゼ》の批判

第3章 ヘーゲル左派のイデオロギー論争
1 1844年のフォイエルバッハ論
2 シュティルナー『唯一者とその所有』
3 1845年のイデオロギー論争

第4章 唯物史観の生成(1845-46)
1 歴史段階説の摂取
2 土台゠上部構造論の歴史的拡張
3 市民社会分析の展開
4 「生産諸力と交通形態の弁証法」と共産主義
5 唯物史観の構想

第5章 イデオロギー批判の総括
1 意識形態とイデオロギー
2 シュティルナー章のイデオロギー批判
3 知の構造的把握

第6章 初期マルクスのオリジナリティ
1 疎外論と物象化論
2 考察:初期マルクスのオリジナリティ

著者略歴

著:渡辺憲正
1948年生まれ。
関東学院大学名誉教授。
一橋大学大学院社会学研究科博士課程単位修得退学。
専門はマルクス研究、社会思想史、イデオロギー論。
【著作】
『近代批判とマルクス』(青木書店、1989年)
『マルクス・カテゴリー事典』(共編著、青木書店、1998年)
『イデオロギー論の再構築』(青木書店、2001年)
『唯物史観と新MEGA版「ドイツ・イデオロギー」』(共著、社会評論社、2018年)
『哲学中辞典』(共編著、知泉書館、2016年)
ほか。

ISBN:9784905261506
出版社:桜井書店
判型:A5
ページ数:246ページ
定価:3200円(本体)
発行年月日:2022年04月
発売日:2022年04月04日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JB