迷宮と宇宙
著:安藤 礼二
紙版
内容紹介
文芸批評の集大成。現世と幽冥を行き来する者たちの、壮大な文学史。平田篤胤とエドガー・アラン・ポーをめぐる「二つの『死者の書』」から始まり、ポーの多面性を繙きながら、鏡花、谷崎、土方、乱歩、三島、澁澤へと論が展開する「I 迷宮と宇宙」6編。折口を通底におきながら、賢治と久作を手繰りよせる「II 胎児の夢」2編。最後に、ポーからボードレールに及ぶ1編「III 批評とは何か」で、「解釈」(翻訳)そして「創作」について分析し、批評の世界を切り拓く。
目次
Ⅰ 迷宮と宇宙
二つの『死者の書』――平田篤胤とエドガー・アラン・ポー
輪舞するオブジェ――泉鏡花『草迷宮』をめぐって
人魚の嘆き――谷崎潤一郎の「母」
肉体の叛乱――土方巽と江戸川乱歩
夢の織物――三島由紀夫『豊饒の海』の起源
未生の卵――澁澤龍彦『高丘親王航海記』の彼方へ
Ⅱ 胎児の夢
多様なるものの一元論――ラフカディオ・ハーンと折口信夫
胎児の夢――宮沢賢治と夢野久作
Ⅲ 批評とは何か
批評とは何か――照応と類似
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