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主婦と労働のもつれ

その争点と運動

著:村上 潔

紙版

内容紹介

 
「主婦的状況」の過去と現在

「働かざるをえない主婦」、そして「勤めていない主婦」は、戦後の日本社会において、どのように位置づけられてきたのか/こなかったのか?
当事者たちは、どのように応答し、運動してきたのか?
 

目次

 
 ┃ 序 章 ┃
本書の問題意識と構成
   問題意識
   本書の構成

 ┃ 第1章 ┃
主婦は「働くべき」か? という問い ――「主婦論争」再検討
   「主婦論争」の様相
   「主婦論争」の問題点
   「主婦論争」の新たな理解モデル
    論争以後の、当事者による諸実践の意味
    まとめにかえて

 ┃ 第2章 ┃
「主婦パート」は何が問題か ――初期パート労働評価について
   高度成長期における「主婦」の「パートタイム労働」
   パート労働への評価
   論点の整理と問題の所在
   まとめにかえて

 ┃ 第3章 ┃
「主婦性」と格闘/葛藤する主婦 ―― 1970年代、東京都国立市公民館での実践
   「主婦的状況」の探求
   「主婦的状況」そのものの問題化
    その後の「主婦的状況」をめぐる問題提起
    まとめにかえて

 ┃ 第4章 ┃
「主婦的状況」を撃て! ――〈主婦戦線〉の/という戦い
   〈主婦戦線〉の活動とその思想(1)
   〈主婦戦線〉の活動とその思想(2)
   〈主婦戦線〉の活動とその思想(3)
   〈主婦戦線〉の思想の特徴
    まとめにかえて

 ┃ 第5章 ┃
「パート主婦」は労働者である ――〈主婦の立場から女解放を考える会〉・〈パート・未組織労働者連絡会〉の奔走
   〈主婦戦線〉、〈主婦の立場から女解放を考える会〉、〈パート・未組織労働者連絡会〉
   パート問題は「労働問題ではなく主婦問題」
   「働き続けるべき論」批判・「ひまつぶしパート」言説批判
   パート問題は「主婦問題ではなく労働問題」
   まとめにかえて

 ┃ 第6章 ┃
主婦だからできる「働き」? ――ワーカーズ・コレクティブのアポリア
   主婦たちの労働実践としてのワーカーズ・コレクティブ
   日本の労働者協同組合が抱える問題
   ワーカーズ・コレクティブの現在的地平はどこにあるのか
   ワーカーズ・コレクティブの今後の展望
   まとめにかえて

 ┃ 終 章 ┃
働く/働かない/働けない、主婦と女性の行く末
   諸論点へのアプローチ
   いま、「主婦」を問題にすること
   おわりに

 ┃ あとがき / 文献一覧 / 索 引
 

著者略歴

著:村上 潔
1976年、横浜市生まれ。専門は現代女性思想・運動史。東洋大学文学部史学科(日本史専攻)卒業。東洋大学大学院文学研究科日本史学専攻博士前期課程修了[文学修士]。立命館大学大学院先端総合学術研究科一貫制博士課程修了[博士(学術)]。現在、立命館大学衣笠総合研究機構研究員、立命館大学大学院先端総合学術研究科非常勤講師。
著書に、『家族性分業論前哨』(立岩真也との共著、2011年、生活書院)、『差異の繋争点――現代の差別を読み解く』(天田城介・山本崇記との共編著、2012年、ハーベスト社)。

ISBN:9784903127156
出版社:洛北出版
判型:4-6
ページ数:334ページ
定価:3200円(本体)
発行年月日:2012年04月
発売日:2012年05月10日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JBS