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悲しみは悲しみのままで -五年間の心の記録-

著:八田 圭子

紙版

内容紹介

夫を通勤途上の心臓突然死で喪った著者が、哀しみの渦中で子どもたちと懸命に暮らしながら書きためた5年分の心の呟き。書いた当時の言葉や文体をできるだけ温存することで、リアルタイムな気持ちをそのまま刻み込んでいる。著者が悲しみの底から行きつ戻りつしながらも、その時々の自分の状態を「書く」ことで受け入れながら、やがてこれまで紡いできた人生のストーリーとはまた別の新たなストーリーをスタートさせて、故人とも新たな関係性を築いてゆっくり上を向いていく姿が浮かび上がる。
著者の職業柄か、物事に感情的に呑みこまれることなく冷静な目をもって記しているため、読者がそれぞれの人生に重ね合わせて、改めて自身の感情や思い出と向き合う契機にもなる。
喪失当事者はもちろん、当事者を周りで支える親族や友人、ボランティアの人びと、教育、医療、介護に携わる人びと、宗教関係者、また中高生、大学生の皆さんにも届けたい一冊。

目次

2015年
「当たり前」 もしもあの夜… ゆっくり前へ わが家の歴史 夫を思う 日常 泣きたいときは 悲しみを抱えて生きる 「ばくだん物語」 こころのかさぶた 雨 仕方ないこと 後悔先に立たず 号泣 幸せでしたか
2016年
それなりに 記憶 息子の胸の内 精神の均衡 玄関 心の作業 指のすき間 哀しみは哀しみとして 生と死と エピソード 内向きの日 なみだ 悔い 強さ 命の灯 神様へ 動悸 面影 夫の夢 最期のプレゼント 運命 初盆を迎えて 神のご加護 少しずつ… 一年前の今日は 月 たくさんの時間 嵐山散策 生きていく 水深三メートル 突然の朝 ひとの中で
2017年
 元日に思う お誕生日会 秘めた想い 子どもたちとともに 自分 たこ焼きパーティー 初夏の風 隣にある「死」 母の日 いのち 「じゃあね」 何があっても 人生 逆境のヒロインたち 夜間飛行の灯 お留守番 面白くない日
2018年
 前へ 娘のマッサージ 桜に想う 区切り ものは考え様 ありがとう お見舞い お茶会 小さなハサミ 誕生日のお祝い 今を生きる 覚悟 ろうそく ありがとう、コタロー 次の一歩 いつか花は咲く 孤独 日にち薬 思い出
2019年
 これから たからもの 祈念日 雑感 あの日から 現在進行形

著者略歴

著:八田 圭子
1963年、京都市に生まれる。男女二児の母。
「想像力がひとを豊かにする」をモットーに映画製作のプロデューサーや原案を務める。ほかに記録ビデオや教育ビデオ制作、原案の取材・調査等を基にルポの執筆、演劇・音楽会の舞台制作など。

ISBN:9784902644142
出版社:糺書房
判型:A5
ページ数:150ページ
定価:1300円(本体)
発行年月日:2020年10月
発売日:2020年10月15日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:VSP