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医学物理学教科書シリーズ

放射線診断物理学

編著:松本 政雄
監:日本医学物理学会

紙版

内容紹介

まえがきから抜粋 

この医学物理教科書シリーズの中の「放射線診断物理学」では,患者の病気の診断のために使用する診断用画像機器の動作原理とその基礎となる物理を解説します。
ここでは,放射線診断物理学というタイトルになっていますが,取り扱うのは,X線などの放射線だけでなく,核磁気などの電磁波や超音波も含まれます。

第1章では,放射線診断物理学の基礎であるX線の原理と特性に始まり,X線画像の形成,画質(コントラスト,解像特性,雑音,DQE,NEQ),画質評価( CD,ROC),QA/QC,X線撮影に使用するCR方式とFPD方式一般撮影装置(X線管装置と付属装置,X線高電圧装置,画像センサ( IP,FPD) 表示装置(LCDモニタ)) と乳房用X線撮影装置(乳房用X線管,位相コントラストマンモグラフィ,トモシンセシス,CAD)やX線透視で使用するX線透視撮影装置(消化管透視撮影装置,循環器用X線診断装置,X線造影剤)の動作原理と特性などを解説し,また,放射光イメージングの動作原理と特性も解説します。

第2章では,コンピュータ断層撮影で使用するX線CT装置の原理とその歴史,画像形成法,画像処理,各種CT装置,画質とQA/QC,アーチファクトなどを解説します。

第3章では,核磁気共鳴画像法を使用するMRI装置の核磁気共鳴原理とその特性,画像形成法,各種撮影法,アーチファクト,QA/QCなどを解説します。

第4章では,超音波診断で使用する超音波の物理特性に始まり,超音波画像診断装置の動作原理と特性,各種撮影法,超音波造影剤,アーチファクト,QA/QCなどを解説します。

以上のように,本教科書は,「放射線診断物理学」を理解するために必要な基礎的知識と最新の診断技術を含んだこれまでにない特色のある本になっています。本書が臨床現場で活躍する医学物理士,診療放射線技師や医師のみならず,学生,院生,ならびに放射線診断に関係する人に役立つ座右の書となることを祈願しています。

2017年1月
編集責任者 松本政雄 (大阪大学大学院)

目次

第1章 X線撮影・透視
 第1節 X線の原理と特性
 第2節 X線画像の形成
 第3節 X線画像の画質とQA/QC
 第4節 X線管装置と付属器具
 第5節 X線高電圧装置
 第6節 画像センサと表示装置
 第7節 一般X線撮影装置
 第8節 乳房用X線撮影装置
 第9節 X線透視撮影装置
 第10節 CAD
 第11節 放射光イメージング

第2章 X線CT
 第1節 X線CTの原理と歴史
 第2節 X線CTの画像形成
 第3節 3次元X線CTの画像形成
 第4節 最近の逐次近似再構成法
 第5節 トモシンセシスの画像再構成
 第6節 X線CTの画像処理
 第7節 X線CT装置の構成
 第8節 ヘリカルスキャン
  第9節 マルチスライスCT
 第10節 その他のスキャン方式
 第11節 X線CTの画質とQA/QC
 第12節 アーチファクト

第3章 磁気共鳴画像法
 第1節 核磁気共鳴(NMR)の原理
 第2節 MRIの画像形成
 第3節 MRI装置
 第4節 MRI撮像法
 第5節 抑制技術とMRI造影剤
 第6節 パラレルイメージング
 第7節 MRIの画質とQA/QC
 第8節 アーチファクト
 第9節 MRS
 第10節 fMRI
 第11節 MRIの安全性

第4章 超音波
 第1節 超音波の生体特性
 第2節 超音波の画像形成
 第3節 超音波診断装置
 第4節 アーチファクト
 第5節 プローブと臨床応用
 第6節 超音波診断装置の安全性と保守

ISBN:9784902590739
出版社:国際文献社
判型:B5
ページ数:407ページ
定価:6650円(本体)
発行年月日:2017年03月
発売日:2017年03月31日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:PHM