出版社を探す

人種・国民・階級

「民族」という曖昧なアイデンティティ

著:エティエンヌ・バリバール
著:イマニュエル・ウォーラーステイン
訳:若森 章孝

紙版

内容紹介

民族紛争/移民排除/ヘイトスピーチ
異質な他者を排除する「共同体」としての国民的アイデンティティ
われわれは、この国民的アイデンティティを解体することができるのか?

長らく絶版となっていた大村書店版の訳文を大幅に見直し、新たに解説を書き加えて待望の復刻!

目次

第I部 普遍的人種主義
第1章 「新人種主義」は存在するか? (バリバール)
第2章 資本主義のイデオロギー的緊張──普遍主義 対 人種主義・性差別主義(ウォーラーステイン)
第3章 人種主義と国民主義(バリバール)

第II部 歴史的国民
第4章 民族性の構築──人種主義、ナショナリズム、エスニシティ(ウォーラーステイン)
第5章 国民形態──歴史とイデオロギー (バリバール)
第6章 資本主義世界経済における世帯構造と労働力の形成(ウォーラーステイン)

第III部 諸階級──両極化と重層的決定
第7章 資本主義世界経済における階級コンフリクト(ウォーラーステイン)
第8章 マルクスと歴史──実りのある思想と不毛の思想 (ウォーラーステイン)
第9章 ブルジョワ(ジー)──その観念と現実(ウォーラーステイン)
第10章 階級闘争から階級なき闘争へ?(バリバール)

第IV部社会的コンフリクトの軸心移動
第11章 独立後ブラック・アフリカにおける社会的抗争──人種と身分集団の概念の再考(ウォーラーステイン)
第12章 「階級の人種主義」(バリバール)
第13章 人種主義と危機(バリバール)

解説 資本主義世界経済と国民、人種主義、移民現象──『人種・国民・階級』唯学書房版に寄せて(若森章孝)

著者略歴

著:エティエンヌ・バリバール
1942年生まれのフランスの哲学者・政治学者。20代のはじめに構造主義的マルクス主義の中心的文献である『資本論を読む』をルイ・アルチュセールとの共著で発表して以来、世界的に著名であり、現在はパリ第10大学の教授として政治哲学、道徳哲学を担当している。主な著書に『アルチュセール』(藤原書店、1994年)、『マルクスの哲学』(法政大学出版局、1995年)、『市民権の哲学』(青土社、2000年)、『ヨーロッパ、アメリカ、戦争』(平凡社、2004年)、『ヨーロッパ市民とは誰か』(平凡社、2008年)、『スピノザと政治』(水声社、2011年)がある。
著:イマニュエル・ウォーラーステイン
1930年生まれのアメリカの社会学者・歴史学者。世界システム論の提唱者として世界的に著名。ニューヨーク州立大ビンガムトン校の社会学の教授(1976~99)を務め、同大学のフェルナン・ブローデル記念研究所の所長(1999~2005)として世界システム論研究を先導した。この間、国際社会学会会長(1994~98)、フランス国立社会科学高等研究院理事などを歴任した。主な著作に『史的システムとしての資本主義』(岩波書店、1985年)、『脱=社会科学』(藤原書店、1993年)、『リベラリズムの苦悶』(京都精華大学出版会編、阿吽社、1994年)、『ヨーロッパ的普遍主義』(明石書店、2008年)、『近代世界システム』I~IV(名古屋大学出版会、2013年)がある。
訳:若森 章孝
名古屋大学大学院経済学研究科修士課程修了。関西大学教授。主な著訳書に、『新自由主義・国家・フレキシキュリティの最前線』(晃洋書房、2013)、リピエッツ『レギュラシオンの社会理論』(共訳、青木書店、2002)などがある。

ISBN:9784902225877
出版社:唯学書房
判型:A5
ページ数:384,7ページ
定価:4500円(本体)
発行年月日:2014年06月
発売日:2014年06月13日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JPF
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:JBF