出版書誌データベース

知的障がい者施設において「意思決定支援」は、30年前から実践されていた！　
長野県・明星学園では、心のケアを中心とした支援方法全体を「お心主義」と称し、それを個別支援計画の大きな柱としている。著者が語る「お心主義」とは、そして重度知的障がいのある人たちの意思決定支援は、どのように実践されて来たのか…。「彼らの本当の気持ち」と出会うための実践を、都度書き溜めてきた文章から「43の物語」として一冊にまとめました。支援者必見の書です！

始めに
僕は今　こうしてここに立っている
どっちが支えられているのかわかりゃしない

第１章　わかることってうれしい
【北海道おしまコロニー】
幸福のかたち　パートⅠ
幸福のかたち　パートⅡ
課題１　やっぱり気持ちがいいポジティブメッセージ

第２章 名探偵コナンへの道
【名探偵コナン】
名探偵コナンへの道　ホップ編
名探偵コナンへの道　ステップ編
名探偵コナンへの道　ジャンプ編
わかってもらえるまであきらめないぞ　前編
わかってもらえるまであきらめないぞ　中編
わかってもらえるまであきらめないぞ　後編
課題２　私の幸せを考える

第３章 伝わることってうれしい
【お心主義辞典】
綾乃さんが泣いた
たった一つの自己選択でさえも、人生を変える時がある
そう、彼女は怒っていたのだ
お父さん、僕は、本当はニンジンが嫌いです
ご飯団子物語
以心伝心
課題３　知的な情報処理をしないという理解方法

第４章 ほんもののやさしさに触れる
【優しさに触れる】
お心は、メロディーにのせて
和解への道筋
別れの風景に添えて
今あなたは、あなたのことを一番大切になさい
ハイチューふたつ、ファンタグレープをふたつ
何もできなくたって、励ますことはできる
命を懸けてまでする意味
ＹＥＬＬ・エール
課題４　身体表現として現れる気持ち

第５章 家族という名のゆりかご
【父を大切に想い、母を慕う】
父さん母さんと、電車に乗った日
「父親もまた大切なもう一人の親」であったということ
我、長男なり
故郷の味、おふくろの味
課題５　一つのストレングスから豊かな支援方法を創出する

第６章 わかっちゃいるけどやめられない
【ニキ・リンコさん】
わかっちゃいるけどやめられない　エピソードⅠ
わかっちゃいるけどやめられない　エピソードⅡ
自棄食いの法則
気持ちとは裏腹な身体
課題６　急にいなくなると寂しい

第７章 内なる母、内なる父を越えて
【過剰適応】
あしたのために１　私は私らしく
あしたのために２　頑張らない
あしたのために３　見捨てられ不安
非行のすすめ
グッバイ東大安田講堂
課題７　あなたを見捨てない

第８章　かけがえのない命
【一生懸命を守る】
一人前の気持ち
汚れた手
ビフォー・アフター
こんにちは、赤ちゃん
課題８　傷つく気持ち

補章　みんな幸せになりたい～あなたも私も～
【幸せになる場所】
不幸にしてバレーボール部のキャプテン
握りしめた手の向こうに
良かれと思って傷つけていることがある
大人にさせるということ

終わりに
まだ若き頃に

あとがき

著：宮下　智
昭和30年生まれ

現職
社会福祉法人明星会　理事長
明星学園・第二明星学園　総園長
明星保育園　園長

長野県知的障がい福祉協会　会長
長野県障害者施策推進協議会　会長
NPO法人飯伊圏域障がい者総合支援センター　理事長
日本知的障害福祉協会知的障害者の意思決定支援等に関する委員会　委員

略歴
千葉大学人文学部　心理学専攻卒
卒後、国立精神衛生研究所・千葉県市川市教育研究所・千葉県君津児童相談所を経て長野県明星保育園・明星学園・第二明星学園の業務に従事する。
これまでに、厚生省（当時）心身障害研究協力者・日本知的障害福祉協会マニュアル検討委員会委員・日本知的障害福祉協会調査研究委員会委員・長野県障害者相談支援体制整備推進アドバイザー・長野県地域支援力向上スーパーバイザー等を歴任。