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高分子素材の偏光顕微鏡入門

著:粟屋 裕

紙版

内容紹介

美しい球晶(高分子結晶)の世界。高分子材料の偏光の特徴は、岩石の場合と異なり、配向により様々な複屈折現象を示すことである。偏光顕微鏡は、高分子物質の微細構造の研究に、高性能、高機能ポリマーとして期待される液晶高分子の研究に欠かせない手段となってる。
本書は、高分子物質について、複屈折の正負の判定、複屈折度の測定法など、偏光顕微鏡の取り扱い方を分かりやすく解説し、さらに、PP、PE、PEAなど基本的な材料ごとに、球晶の観察、配向解析、液晶の物性研究など豊富な実例で紹介する。高分子の開発・研究に携わる、技術者・研究者、特に初心者に必携の一書。

目次

まえがき

第1章 緒  言
  偏光顕微鏡とは
  1.1 光学顕微鏡はもう古い?
  1.2 何を測定したいか
  1.3 偏光顕微鏡の選択
  1.4 顕微鏡と組み合わせて使う装置
  1.5 試作作製に必要な機器

第2章 顕微鏡用試料の作製
  2.1 ミクロトームによるプレパラートの作製
  2.2 繊維やフィルムによるプレパラートの作製
  2.3 顕微鏡加熱(冷却)装置用試料の作製
  2.4 球晶試料(等温結晶化試料)の作製

第3章 顕微鏡の調整
  3.1 顕微鏡の各モジュールの名称
  3.2 先ず清掃
  3.3 検鏡準備
  3.4 顕微鏡写真の撮影

第4章 顕微鏡測定に必要な理論
  4.1 偏光の基本的性質
  4.2 光学的異方体
  4.3 偏光顕微鏡下の結晶

第5章 複屈折の測定
  5.1 大まかな複屈折測定
  5.2 ベレック・コペンセータをしようしたレターデーションの測定
  5.3 セナルモン・コペンセータを用いたレターデーションの測定
  5.4 複屈折の測定

第6章 傾斜法による延伸物の配向測定
  6.1 傾斜法の装置の構造
  6.2 傾斜法による複屈折測定の原理

第7章 実  例(液晶以外の球晶の観察)
  7.1 ポリプロピレン(PP)の結晶化速度と球晶の形態
  7.2 ポリエチレン(PE)の結晶化速度と球晶の形態
  7.3 ポリエチレンアジペート(PEA)の結晶化
  7.4 ポリブテン1(変態Ⅰ)の球晶の変形

第8章 実  例(結晶の配向解析)
  8.1 Ⅹ線回折による配向度の測定
  8.2 非晶複屈折の測定
  8.3 PP の延伸配向と結晶の固有複屈折
  8.4 PVA の結晶相,非晶相の固有複屈折
  8.5 PMMA フィルムの一軸および二軸延伸に伴う分子配向

第9章 実  例(液晶の観察)
  9.1 液晶の顕微鏡観察に必要なテクニック
  9.2 液晶の相構造
  9.3 液晶の形態
  9.4 液晶の型とその組織
  9.5 液晶の温度による変化
  9.6 高分子液晶の電界下の顕微鏡観察
  9.7 高分子液晶の磁界下の顕微鏡観察
  9.8 配列を制御したメソゲンよりなる主鎖型液晶高分子の液晶性とそのブレンド系の相転移挙動
  9.9 コノスコープによる液晶観察

謝 辞

関連略語
索 引

ISBN:9784900041936
出版社:アグネ技術センター
判型:A5
ページ数:272ページ
定価:3400円(本体)
発行年月日:2001年10月
発売日:2001年10月01日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:PNNP
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:TDC