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私たちは住宅建設に関連する仕事に従事している。そのため人口減少問題は業界の将来にとって憂慮すべき事態と考えていた。
そうした中、公益財団日本生産性本部が設立した日本創生会議（座長・増田寛也氏）が2014年５月、衝撃的なリポートを発表した。このリポートに私たちは、「このままでは日本が消滅してしまうのではないか」との危機感を抱いた。
「どうすれば、その事態を食い止めることができるのか」と議論をスタートさせた。
ディスカッションを重ねながら、
「日本消滅の危機的要因は人口減少だけにとどまらないのではないか」
という疑問を抱くに至った。その疑問の中で今度は、
「果たして、日本が消滅するとは、どういうことなのか」
と疑念が湧き、議論は現代の日本と日本人が抱える問題へと広がっていった。

はじめに

第１章　人口減少をいかに止めるか
人口減少という巨大な渦
　減少は13年連続、減少幅は拡大傾向
　結婚＝責任あるいは負担増
若者をその気にさせる？少子化対策
　提言一◆修学期間の短縮（結婚・出産年齢の適正化）
　提言二◆若年層の可処分所得の引き上げ（減税＋社会保険料減額）
　提言三◆若年層の可処分時間の増加（就労時間の短縮）
都市そして地方のあるべき姿
　都市計画の見直し
　農業、林業、⽔産業、観光など地元資源をフル活用
地域活性化の事例
　世界一！　北海道のホタテ漁
　「都市と同じことはしない」逆張り戦略
　巨大輸送網による挑戦
　コンパクトシティー化でできること
当事者意識が薄い人口減少
　「大胆な」施策
　移民は対策にならない
　根本的な原因
　新たな疑問も

第２章　我々は何者かという問い
日本文明の再定義
　伝統的な精神文化
　制度化されるリベラリズム
　分裂しがちな保守
「近代化」という西洋化の妄想
　生き残るための選択
　親しみも誇りも持てない歴史教育
自由と不安と自然の関係
　若年層が覚える将来への不安
　不安で自信のない日本人
選択的夫婦別姓によって陥る危機
　最後の文化的仕組み
　日本的共同体の終焉

第３章　多極化へ向かう世界の中で－日本の役割－
遠い国際的な平和な時代
　米ソ冷戦からアメリカ一極支配へ
　世界の多極化と対米依存
ハンチントンの警告
　文明の対立、脱西欧化の動き
　戦争を避けるための三つのルール
孤立国・日本
　ハンチントンが示す日本の選択肢
　そのジレンマ
　真の意味での主権の確立
日本が「極」となるために

第４章　主権を守るということ
国際政治のリアル
日米同盟をめぐる疑問
　退く米軍
　「核の傘」を否定
　優位に立つ中国
自衛力の強化
　武器輸出三原則の撤廃
　宇宙分野での安保連携
　国防意識の高まりと自衛隊
「核」という最適解
　「核さえ持てば他国から攻められない」
　核武装までのハードル
エネルギーと安全保障
　水素が創出するチャンス
　何を、いかに「守る」か
副首都の建設

第５章　「我ら」の憲法改正案
なぜ改正すべきなのか
・前文
・第一章　天皇
　天皇／皇位の継承／国旗及び国歌
・第二章　戦争の放棄
　戦争の放棄／領土等の保全／国防軍／国際平和活動等への参加
・【新設】緊急事態
　緊急事態の宣言
・第九章　改正
　憲法改正の発議、国民投票及び公布
国民の責任とコスト

あとがき

著：嵩 聰久
1941年北海道北見市生まれ。
嵩家ゆかりの和歌山県新宮市の光洋中学校、県立新宮高等学校卒業。1963年東京大学法学部卒業、同年建設省（当時）入省。警察庁、総理府（当時）、国際花と緑の博覧会を経て、建設業界へ転出。大手建設会社の再建に社長として尽力。
NPO法人紀州熊野応援団理事長を2007年から10年間つとめる。

著：佐藤 克巳
1963年京都府京都市生まれ。
1986年同志社大学文学部社会学科卒業。大手印刷会社、電気工事会社勤務を経て、2005年同社代表取締役に就任。現在に至る。

著：佐藤 裕彦
1985年兵庫県神戸市生まれ。
2008年龍谷大学経営学部卒業。大手都市銀行、杭工事会社勤務ののち、2021年同社代表取締役社長に就任。現在に至る。
小学校４年生のときに阪神・淡路大震災を体験している。