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三味線放浪記 新版

著:山入端つる

紙版

内容紹介

沖縄芸能ともに戦前・戦後を生きた沖縄おんな・山入端つるの自伝の復刻版
本書は1959年に新聞連載され、1996年に書籍化、そして今回25年ぶりに新版として発行された。
沖縄本島北部の名護の貧しい家に生まれ沖縄の遊郭・辻に引き取られ、三線を身につけたつるがたどる、たくましくしなやかな近代沖縄の女性の生きざまが描かれている。
沖縄近代の庶民像を描いたとされる『眉屋私記』(上野英信著)に登場する山入端一家の三女でもあり、歴史家・東恩納寛惇による聞き書きという異色の一代記でもある。
2021年はふるさと名護市屋部に上野英信「眉屋私記」を顕彰した文学記念碑が建立された節目ともなっている。

目次

目次/三味線放浪記 新版
 
      序 浮草のように 
   屋部の巻 山原の貧農に生まれて   
    辻の巻 十三で身売り芸の道へ   
   放浪の巻 職を転々荒波の浮世   
  子育ての巻 戦時下に希望を求めて  
   疎開の巻 にわか百姓奮戦す   
芸能保存会の巻 三味線片手に東奔西走   
「颱風」の巻  東京砂漠に沖縄の灯ともす   
    顧みて 大海原に漂う小舟のように 

  解題・近代沖縄おんなの生きざま     三木 健  
    
  『三味線放浪記 新版』あとがき       三木 健 

著者略歴

著:山入端つる
1906年(明治39)沖縄北部の屋部村(現・名護市)で男3人、女3人の末娘として生まれる。8歳の時、父を亡くし、貧困のため11歳で身代金付きで奉公に出され、13歳で辻の長姉・ナベのもとに引き取られ、三線を習い、芸妓として成長する。19歳で辻を出奔し、三線片手に宮古、奄美、大阪、東京など職を転々としながら渡世。戦後は沖縄移住者の多い神奈川県川崎市で沖縄芸能の発展に寄与、同市の無形文化財指定にも貢献した。1957年に東京で琉球料理店「颱風」を経営していたが、1974年に沖縄に引き揚げ、余生を郷里ですごす。2006年、百歳の天寿を全うした。 

ISBN:9784899824114
出版社:ボーダーインク
判型:4-6
ページ数:175ページ
定価:1800円(本体)
発行年月日:2021年08月
発売日:2021年08月20日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:DNB