目 次:
【Part 1 評価方法とその実践】
1 QOLとは何か?
QOLの歴史的概観/健康関連QOL(HRQL)とPRO/広い意味のQOL/まとめ
2 QOL/PROの把握がなぜ重要か?
健康関連アウトカムの種類と特徴/患者と医療専門職の評価結果の乖離に関するエビデンス/まとめ
3 実際に測ってみよう
臨床現場で――目の前の患者に直接活かす場合
(1)測定前や測定中の注意点
尺度の選択/尺度選択の流れ/尺度の作成/調査票の作成/調査票の尺度を配置する/対象者への説明と測定のタイミング/対象者の負担への配慮
(2)測定で得られたスコアの分析方法や解釈
スコアの分析方法/スコアの解釈/最小重要差(Minimally Important Difference:MID)/まとめにかえて:MID推定の難しさ
臨床研究で――治験や臨床試験を含む
(1)測定前や測定中の注意点
臨床研究におけるQOL/PRO評価の位置づけ/QOL/PRO評価計画/QOL/PRO評価測定中の注意点
(2)測定で得られたスコアの分析方法や解釈
順序カテゴリカルデータの扱い/経時的測定データの解析
◆コラム1◆ レスポンスシフト
4 どのようにして開発されたQOL/PROの尺度(ものさし)を使うのがよいか?
そもそも“QOL”は測れるのか?/QOL/PRO尺度の測定特性/QOL/PRO測定尺度の作成
5 目的によって尺度をどう使い分けるのか?
健康アウトカム尺度の目的・応用別大分類/PROとQOLとの関係/プロファイル型尺度/インデックス型尺度/まとめ
6 QOLと倫理的課題
QOLとは何の質か?/医療倫理とQOL/臨床上の意思決定とQOL/QOLとSOL/
生命の神聖性に基づく3原則/遷延性意識障害とQOL/重度の障害をもつ新生児のQOL/医療経済評価とQOL/質調整生存年(Quality Adjusted Live Year: QALY)/費用対効果評価/Double Jeopardy(二重苦)/QALYと高齢者差別(Ageism)/フェア・イニング・ルール/QOLとそれに関連する倫理的課題/QOL測定に関しての倫理的課題/まとめ
7 病気の種類や状態による注意点
(1)がんの患者さん
尺度の選択/評価の時期/欠測への対応
(EORTC QLQ-C30のサンプル 68・69/FACT-Gのサンプル 70)
(2)緩和ケアが必要な患者さん
緩和ケアの概要/緩和ケアが必要な患者さんを対象としたQOL測定時の注意点/緩和ケアにおけるQOL評価の課題と展望
(3)口腔の手術が必要な患者さん
口腔外科疾患とQuality of Life/Patient Reported Outcome(QOL/PRO)/どのような目的でQOL/PROを用いるか?/口腔がん患者のQOL/PRO/EORTC QLQ/FACT/周術期口腔がん患者のFACT-H&Nの経時的変化/EQ-5D/どのツールを選択するか?/どのタイミングでどのように評価するか?/高齢者口腔がん患者のQOL/PRO評価の注意点/顎変形症とQOL/PRO/口腔有害事象(口腔ケア)とQOL/PRO
(4)高齢やリハビリテーション中の患者さん
QOLを評価する意義/アウトカムとしてのQOL評価の意義/尺度の測定特性/代理人回答の検討/まとめ
◆コラム2◆ 多職種医療者がシェアすべきアウトカムは何か?
~チーム医療の共通言語としてのQOL~
入院前の生活を取り入れた患者中心型入院生活プログラムの効果/まとめ,今後の展望
【Part 2 新時代の展望】
1 PRO-CTCAE
開発の経緯と概要/尺度の作成と構成/日本語版の開発と利用/使用方法/利用の方向性と課題/おわりに
2 がん領域におけるePROの有用性
ePROについて/ePROを用いた症状/QOLモニタリングの意義/新たな時代を迎えたePROモニタリング/ePROモニタリングの課題/将来展望
3 Computer Adaptive Testing(CAT)
Computer Adaptive Testing(CAT)とは?/CATシステムを利用した尺度:PROMIS
4 選好に基づく尺度(Preference-based Measure: PBM)
選好とは何か? 124/どのように選好に基づく尺度を利用するのか?/得られたスコ
アを何とよぶのか? どのように解釈するのか/どのような解析手法を用いるのか?/結果をどのように活用するのか?/どのようにスコアリングアルゴリズムを作成するのか?/選好に基づく尺度にはどのようなものがあるのか?
◆コラム3◆ 患者参画とQOLの評価・応用
患者参画とは?/健康関連QOL評価における患者参画