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タネは旅する

種子散布の巧みな植物

著:中西弘樹

紙版

内容紹介

風に飛ばされ、水に流され、雨滴に弾かれ、アリに運ばれ、動物の餌となり……、種子は自然の力を巧みに利用して親元から離れ、生活の場を拡大している。
半世紀にわたり種子散布の研究を重ねてきた著者が、驚きに満ちた植物の知恵と工夫を大公開!
自然から学ぶことは沢山ある。動くことができない植物が、エネルギーを使わず種子を拡げる方法には、製品開発に応用できる「生物模倣」のヒントが潜んでいるに違いない!

目次

はじめに
第一章 風によって運ばれるタネ
 1.タンポポの意味は舞い上がるタネ?
 2.ワタとキワタの綿毛
 3.パラシュート型果実をもつマツムシソウの仲間
 4.カエデのプロペラ型果実
 5.マツボックリの開閉運動
 6.二枚羽根をもつフタバガキ
 7.チューリップノキは風散布
 8.飛行機のモデルとなったタネ
 9.ウバユリのタネは強風にだけ飛ばされる
 10.ラン科の種子はほこり?
第二章 水によって運ばれるタネ
 1.流れ寄るヤシの実はひとつでなかった
 2.モダマは藻の玉?
 3.グンバイヒルガオの分布は地球温暖化の指標
 4.海流で最も遠くに運ばれるタネ ― マリアマメ
 5.マングローブ植物の胎生種子 
 6.チャルメルソウは雨をまっている?
 7.エリコノバラとはどんなバラ?
第三章 動物によって運ばれるタネ
 1.コーヒーとカカオと動物
 2.果物の王様 ― ドリアン
 3.世界一大きい果実パラミツとパンノキ
 4.メロンのタネはなぜぬるぬるしているのか?
 5.スミレの仲間のアリ散布
 6.面ファスナーとくっつきむし
 7.悪魔の爪とウンカリナ
第四章 自ら飛ばすタネ
 1.ホウセンカは耐えられない?
 2.カタバミの自動散布
 3.孫、ひ孫、め孫がいる植物?
 4.フジのタネの円盤投げ
 5. 鉄砲、爆弾、ダイナマイトもある植物?
第五章 運ばれないタネ
 1.世界最大のタネ ― フタゴヤシ
 2.ヤブツバキは照葉樹林の代表種
 3.株元に散布されるタネ
 4.ラッカセイのタネは地中で実る
 5.自ら土中にもぐるタネ
参考文献
植物名索引

著者略歴

著:中西弘樹
名古屋市生まれ。広島大学大学院理学研究科博士課程修了。理学博士。長崎女子短期大学教授、長崎大学教育学部教授などを経て、現在長崎大学名誉教授。専攻は植物生態学。環境省の希少野生動植物種保存推進員、長崎県環境審議会委員、長崎県文化財保護審議会委員、長崎県環境影響審査会委員などを務める。

[受賞歴]
植生学会賞(2009)
自然環境功労者環境大臣表彰(調査・学術研究部門)(2015)
第27回松下幸之助花の万博記念賞・松下幸之助賞(2019)など。

[主な著書]
『海流の贈り物-漂着物の生態学』
『種子はひろがる-種子散布の生態学』(以上、平凡社)
『海から来た植物-黒潮が運んだ花たち』(八坂書房)
『日本人は植物をどう利用してきたか』(岩波書店)
『日本の海岸植物図鑑』(トンボ出版)など。

ISBN:9784896943313
出版社:八坂書房
判型:4-6
ページ数:320ページ
定価:2700円(本体)
発行年月日:2022年06月
発売日:2022年06月23日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:PDZ
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:PST