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八雲の妻 小泉セツの生涯

著:長谷川洋二

紙版

内容紹介

本書は長谷川洋二著『小泉八雲の妻』(松江今井書店、1988)の全面改稿新版です。
小泉セツは松江藩士族の娘。神々の国松江でラフカディオ・ハーン(小泉八雲)と巡り会い結婚、ハーンの創作活動を助けました。ハーンの妻として歩んだセツの、困難と喜びに満ちた生涯を掘り起こした本格的な評伝です。

明治期にあっては困難を極めた国際結婚。二人はその困難を、二人の愛情とたゆまぬ努力によって見事に克服し、新しい形の夫婦愛を築きました。

ハーンと生活を共にした13年間、セツは“ヘルンさん言葉”(二人だけに通じ合う独特の言葉)を駆使してハーンとコミュニケーションを図り、ときには再話文学の助手をも務めました。
セツの残した「英語覚え書帳」(本書収録)には、出雲弁訛りも多数見受けられ、セツが英語を習得しようと努めた必死さが伝わります。

目次

小泉セツ関係系図
     
一 セツの生い立ち
(一) 誕生
(二) 幼年時代
(三) 親たち・祖父たちの物語

二 松江士族の没落とセツ
(一) 明治の大変革と士族
(二) 松江士族の没落の概要
(三) 稲垣家の零落
(四) セツの娘時代
(五) 生活の窮迫

三 ハーンとの出会いと結婚
(一) 出会い
(二) 出会いの後の半年

四 結婚生活
(一) 熊本時代(1891・11・19~94・10・6……セツ23~26歳)
(二) 神戸時代(1894・10・10~96・9・7……セツ26~28歳)
(三) 夫の帰化(松江~神戸時代)
(四) 東京牛込時代(1896・9・7~1902・3・19……セツ28~34歳)
(五) 再話文学の助手 
(六) 夫の晩年・西大久保時代(1902・3・19~04・9・26……セツ34~36歳)

五 未亡人時代
(一) 著作権の売却と「思ひ出の記」(37歳前後)
(二) ミンニー・アトキンソンの来訪など(41歳前後)
(三) 五十三歳前後のセツと子供たち
(四) 謡曲・鼓・茶道・そして内孫(58歳前後)
(五) セツの死

思ひ出の記
あとがき 
セツの「英語覚え書帳」
セツ・ハーン略年譜

著者略歴

著:長谷川洋二
1940年新潟市生まれ。新潟大学人文学部で史学を専攻、コロンビア大学のM.A.学位(修士号1974)・ M.Ed.学位(1978)を取得。一時期会社員、前後して高等学校教諭(世界史担当)。旧著『小泉八雲の妻』(松江今井書店、1988)のほかに、『A Walk in Kumamoto: The Life and Times of Setsu Koizumi, Lafcadio Hearn's Japanese Wife』(Kent, UK: Global Books, 1997)、『わが東方見聞録――イスタンブールから西安までの177日』(朝日新聞社、 2008)がある。

ISBN:9784896780925
出版社:今井書店
判型:B6
ページ数:397ページ
定価:2200円(本体)
発売日:2014年05月21日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:DNB