出雲学への軌跡
著:藤岡大拙
紙版
内容紹介
出雲を深く愛しその語り部として広く知られる著者が、自らの出雲学への歩みを跡付けた自選歴史著作集の決定版。
中世の禅文化研究に打ち込んだ若き日々。
山陰の中世史の新地平を求め信仰者や武将たちの内面に深く入り込んだ論文の数々。
神話や風土記を原点に出雲学構築へと至る注目の論考――。
巻末の詳細な著述目録とともに傘寿を過ぎた著者の旺盛な著述活動が今、ここによみがえる。
目次
序章 神々の国出雲
第一章 中世の禅文化
禅宗の日本的展開/禅院内に於ける東班衆について/栄西/一休/沢庵/鈴木大拙/義政と東山山荘の世界
第二章 山陰の中世史へ
後醍醐天皇行在所論争史概説/出雲の山岳信仰/尼子氏と文化/惟高妙安と尼子氏/探訪山陰の中世/新宮党事件/出雲阿国の生国について
第三章 山陰の武将たち
塩冶判官高貞の横顔/長年と高貞の間/山名氏/中国地方の武将略伝/石見銀山と戦国武将/尼子経久/尼子経久と毛利元就/山中鹿介と富田開城/上月城と山中鹿介/斐伊川流域の領主たち
第四章 出雲学への軌跡
山陰地方の歴史・アイデンティティ/しまねの海文化/古代史の中の「出雲」/『古事記』と出雲
終章 神話の王国「出雲」
あとがき
著述目録