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天子論及び官吏論

著:安岡 正篤

紙版

内容紹介

現代を挙っての放心 官能的頽廃の結果、何人も人格者たる敬虔と抱負を失い、無惨にも自ら侮り人を軽んじておる一世の悪風潮に深く感ずる所あって、今年六月の始め小著「東洋思想研究」第八冊に「天子論」を出したが、これに対して実に意想外の共鳴や、また批難誤解を受けて、私は今更のように古人が立言の重く且つ慎むべきを教えた心を感悟した。
その始め私はわが天皇論に関しては寧ろ論歩の序に聊か触れたに止めたが、周囲の状況はこれを許さなかった。そして多くの人々からこの書を通じて私に寧ろ日本天皇論を聞かんことを迫られた。天皇論が今や彼等の重大なる関心事に為って来ておるのである。私は一度は沈愁し、翻って大いに驚喜した。かくしてたまたま小著の再版を機会に、私は沈思四十日、旧篇に増補訂正を加え、新たに「日本の天皇とシナの天子」を増し、真に肝胆を吐露した思いで筆を擱いた。どうか誠を掬んで読みかつ考えて戴きたい。
大正十二年八月廿日 (再版の序より)

目次

再版の序

一 序 論

二 道徳的意識と政治的意識

三 天子と官吏と民衆との関係

四 日本の天皇とシナの天子

五 西洋王政の没落とその君民思想

六 東洋王政の特徴と官吏の性質

七 結 論

後 記

著者略歴

著:安岡 正篤
明治31年大阪市に生まれる。
大正11年に東京帝国大学法学部政治学科を卒業
昭和2年に金鶏学院を設立。
陽明学者、東洋思想家。
終戦の詔の起草者の一人。
昭和58年死去

著書
『易學入門』『全訳 為政三部書』『東洋思想と人物』『暁鐘』『王陽明研究』『陽明学十講』『朝の論語』『東洋学発掘』
『新編 経世瑣言』『新憂楽志』『老荘思想』『古典を読む』『人物・学問』『光明蔵』『政治と改革』『古典のことば』
『この国を思う』『儒教と老荘』『旅とこころ』『王陽明と朱子』『人間維新Ⅲ』『憂楽秘帖』『明治の風韻』『天子論及び官吏論』
(明徳出版社)

ISBN:9784896198423
出版社:明徳出版社
判型:A5
ページ数:65ページ
定価:900円(本体)
発行年月日:2019年12月
発売日:2019年12月23日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JPF
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:QDTS