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新約聖書の中心テーマ、実存の愛と霊的信仰を説いた『ヨハネ第一書』の講義。著者の処女作。
キリストの説いた「愛」は、実存的なものである。にもかかわらず、この愛は倫理的な規範の概念としてしか、一般に理解されていない。ここに愛の負わされる十字架がある。キリストの愛は天の生命であって、倫理ではない。道徳の彼岸にある高次のものである。

四六判上製

聖霊の愛
ー愛の実存と霊的信仰についてー
序説　霊の恩頼（みたまのふゆ）
一　雄たけびの祈り
二　試練の浄火をくぐって
三　祖国を興すものー無教会的キリスト教の反省と革新

本論　実存の愛　「（ヨハネ第一書三章十四～十九節の講義）
一　信仰の根本問題ー実存的な愛
　・愛にはどんな時にも堕ちない
二　愛は罪を掩う
　・贖いの愛
三　愛とは「永遠の愛」である
　・愛は死す
　・愛は決して死なず
四　生命を捨てる愛
　・無くてはならなぬもの
　・愛は旅人である
五　愛には偽りあらざれ
　・聖霊とは愛である
　・愛の讃歌
六　愛の光耀界ー神への実存
　・実存の回帰
　・天来の愛
　・愛の信仰の三段階
補説　信仰の生活（ヨハネ第一書三章二十～二十四節の講義）
一　神はすべてを知り給う
　・愛には、何故がない
二　神と偕なる喜び
　・子たるの霊
　・主の臨在にすべてをかけて
三　神の子イエス・キリストの名
　・主の聖名を信じて
四　御霊によりて
　・聖霊の臨在
　・生けるキリスト

十字架のキリスト
ー私の信仰ー

愛の原始福音（ヨハネ第一書三章十一～十五節の講義）
・原始福音に還れ
・愛の宗教
・愛についての各様の考え方
・愛の真実を試みよ
・愛ならぬ偽愛
・三次元の世界
・聖書の「愛」とは？
・二つの人類の霊統
・種的引力と反撥
・人生最大の謎
・死に勝つ生命
・永遠の死
・死より生命に
・宇宙の生命なるキリスト

悪魔論（ヨハネ第一書三章八～十節の講義）
ーキリストの霊は死の権力を滅ぼすー
・魔力的なもの
・信仰の戦い
・罪悪の根源
・霊覚の麻痺
・あれか、これか
・荒野の対決
・悪魔の性格
・サタンに内応するもの
・キリストは死の権力を亡ぼす
・サタンの拠るところ―自我
・否定の霊を否定して
・神の種子を胎生せよ
・神我の自己実現

著：手島　郁郎
手島郁郎（てしまいくろう）の略歴

▼1910年誕生。
内村鑑三、賀川豊彦、及びスンダル・シング（インド）の影響を強く受ける。無教会主義に共鳴し、塚本虎二に私淑。
▼1948年、熊本にてアメリカ占領軍の横暴な政策に抵抗したために米占領軍政に好ましくない人物として追及され、阿蘇山中奥深くに逃れる。そこで祈りつつある間に、神から伝道者としての召命を受ける。旧・新約聖書を直接、原典から学び、主イエスとその弟子たちの聖書そのままの原始福音運動を提唱。信仰証誌『生命の光』を発刊。その群れを『幕屋（まくや）』と称し、全国に生けるキリストの伝道を展開する。日本国の精神的復興のためにキリストの福音が民族の魂に根づき、民族のもつ尊い使命が発揮されることを願う。
▼1950年以降、聖霊の恵みに浴し、キリストが働く徴（しるし）と奇跡が続出する聖書さながらの独立伝道を各地に展開する。
▼1973年東京にて召天。