人類学専刊
出家と世俗のあいだを生きる
インド、女性「家住行者」の民族誌
著:濱谷 真理子
内容紹介
出家修行と家庭生活──「家住行者」と呼ばれる女性たちがどう両立させ、どう自分らしく生きているのか
目次
まえがき
凡例
序論
一 はじめに
二 問題の所在と本書の視角
三 調査の概要
四 本書の構成
●第1部 フィールドの概要
第一章 「神の門」へようこそ
一 はじめに
二 巡礼センターとしてのハリドワール
三 調査地の社会文化的背景
四 小括
第二章 出家者の世界
一 はじめに
二 出家者の組織・制度
三 出家者の日常生活
四 小括
●第2部 「家住行者」とはだれか
第三章 地域で暮らす女性行者たち
一 はじめに
二 調査対象の概観
三 日常生活の構成
四 世捨ての経緯
五 小括
第四章 「家住行者」とはだれか
一 はじめに
二 道場で暮らす
三 庵で暮らす
四 地域住民との近所づきあい
五 小括
●第3部 社会生活
第五章 「夕食はガウリー・クンジュで」──無償の食事がつくる差異、友愛、社会
一 はじめに
二 共食の場と担い手
三 贈与が想像/創造する︿サンガ﹀
四 共食が育む︿サークル﹀
五 ︿みんなのサークル﹀の可能性
六 小括
第六章 招待券がつくるネットワーク――招宴参加をめぐる贈与実践の考察
一 はじめに
二 日常的実践としての招宴
三 招かれる過程
四 贈与を動かすモラル、贈与がつくる人間関係
五 小括
第七章 寡婦行者たちの孤独な闘い──托鉢実践にみる「有徳な経済」の探求
一 はじめに
二 沐浴場の暮らし
三 托鉢のジェンダー・ヒエラルヒー
四 女性托鉢集団
五 個別の托鉢実践
六 小括
●第4部 家庭生活
第八章 男性パートナーとともに暮らす――奉仕実践にみる禁欲主義へのオルタナティヴ
一 はじめに
二 禁欲主義の理念と実践
三 男性パートナーとともに暮らす
四 奉仕実践とモラル・ディレンマ
五 奉仕実践を通じた感情の鍛錬
六 小括
第九章 「神の門」にて死者を見送る――葬送儀礼を通じた真正性の吟味と創出
一 はじめに
二 出家者の真正性をめぐって
三 女性行者たちの葬送儀礼
四 出家者か、在家者か
五 小括
結論
あとがき
資料1 祭事暦
資料2 入門儀礼と出家儀礼
資料3 プシュパーンジャリ
用語解説
参照文献
索引