序
●第一部 総論
第一章 台湾原住民族研究小史──文化人類学を中心に
一 清国時代までの記録(─一八九五年)
二 日本統治時代(一八九五─一九四五年)
三 第二次世界大戦後(一九四五年―)
●第二部 先駆者 伊能嘉矩
第二章 伊能嘉矩とその時代──初期研究史への測鉛
一 序──伊能嘉矩への関心と無関心
二 人類学を学ぶ
三 在台十余年
四 山地および東部の原住民族調査について
五 原住民族研究の業績について
六 文化人類学の源流
第三章 台湾原住民族を俯瞰する──伊能嘉矩の集団分類をめぐって
一 台湾全島調査
二 『台湾蕃人事情』と「種族」の分類
三 原住民族を俯瞰する
四 「熟蕃」・「生蕃」と平埔族
五 その他の問題
六 鳥居龍蔵の原住民族分類
結 語
第四章 伊能嘉矩の原住民族分類における諸種の資料源
一 清国時代の漢語文献
二 ジョージ・テイラーの分類
三 二人の日本人研究者による東部原住民族の分類
結 語
●第三部 森丑之助――忘れられた研究家
第五章 森丑之助と台湾原住民族の分類
一 森丑之助の原住民族研究
二 種族の分類、種族内部の分類
三 問題点
結 語
第六章 師・友人・訪問者たち──森丑之助の研究を支えた人びと
一 森丑之助を学術探検に導いた台湾研究の先駆者たち
二 台湾における交友関係
三 訪問者その他
第七章 佐藤春夫が描いた森丑之助
一 大正九年夏、台北
二 佐藤春夫の台湾旅行
三 「霧社」に描かれた森丑之助
四 「魔鳥」その他
五 その後の消息
●第四部 『台湾高砂族系統所属の研究』を読む
第八章 名著『台湾高砂族系統所属の研究』をどう読むか(前篇)
一 小さな研究室
二 実地調査(一九三○―三二年、昭和五―七年)
三 執筆の分担について
四 続いた「嘱託人類学」
第九章 名著『台湾高砂族系統所属の研究』をどう読むか(後篇)
一 刊行以後
二 資料としての系譜と口碑
三 移動の跡を探る
四 「高砂族の移動および分布」
結 語
第十章 馬淵東一とエスノヒストリーの研究
一 原住民族の調査に没頭した一九三○年代
二 『系統所属の研究』にどれだけ貢献したのか
三 社会人類学へ
四 「高砂族の移動および分布」について
五 原住民族の分類
結 語
●第五部 ルカイ(魯凱族)研究史─南部山地住民の分類をめぐって
第十一章 幻の〈ツァリセン族〉
一 「私たちはどの〈族〉なのか」
二 伊能嘉矩と「ツァリセン族」
三 「パイワン族」に含められて
第十二章 〈ルカイ族〉の誕生以後
一 台北帝国大学が創設されて
二 『台湾高砂族系統所属の研究』とルカイ(魯凱族)
三 鹿野忠雄の分類
四 第二次世界大戦後の研究
結 語
謝辞
参照文献/図表一覧/索引