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表裏対称平面の幾何ー相対性原理の証明ー

著:藤森 弘章

紙版

内容紹介

ユークリッド幾何学の公準にひそむ曖昧さと,従来の現象論的特殊相対論にあき足らない人にお勧めの本.
ピタゴラスの定理が何故なりたつか,光速度不変の原理が何故なりたつかを追求し,
時空間の平面の五つの対称性による必然であると明らかにした.

理系大学生または卒業生で次の『疑問』をもつ人はいないだろうか.
◆ユークリッド幾何学への疑問
ユークリッド幾何学の公準は平面固有の性質 (均質・等方など) から出発すべきである.
◆線型代数への質問
線型空間におけるユークリッド空間の導入は,内積を人工的な定義によるのではなく,
空間の対称性より演繹すべきである.
◆特殊相対論への疑問
光速度不変に基づく現象論ではなく,時空間の対称性に基づく本質論として立論すべきである.

五つの公準から出発するユークリッド幾何学や,
二大基本原理を前提とする特殊相対論の立論に隔靴掻痒感をもつ人はいるだろう.
光速度は何故不変かを問うのが学問である.
科学の中心課題の一つである「なぜか」をトコトン追究しない従来の現象論にあき足らず,
時空間の対称性が支配する自然の機序に踏込んで spacetime の本質論を展開したのが本書である.
第6回国際時空学会(http://www.minkowskiinstitute.org/conferences/2022/cprogram.html)で
Proof of the Relativity Principle (http://spatim.sakura.ne.jp/pdfpp/202209conf.pdf) を発表し,
「クラッチマンの説と重なるところがある」と肯定的評価を得た.

目次

目次

はしがき

前提事項 初学者用基本用語集

凡例 記号



図 Minkowski平面の表面・裏面斜交座標系と格子線

算額 2 ポアンカレの遺題・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1



第1章  平面幾何概観

§1.1 幾何学小史 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2

§1.2 平面幾何の分類 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3

§1.3 若干の素朴な疑問 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4

§1.4 本書の主旨 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5



第2章  線型変換の不変量

§2.0 2×2 行列の基本・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・6

§2.1 線型平面と線型変換・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 7

§2.2 2×2行列のもつ不変関数・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10

§2.3 2次正則行列の極形式と幾何的性質 ・・・・・・・・・・・・・・14

§2.4 2×2可換行列がつくる群 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・19

§2.5 可換特殊線型変換群がつくる幾何 ・・・・・・・・・・・・・・・21



第3章  表裏対称線型平面の幾何構造

§3.1 線型直線の幾何構造・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・26

§3.2 線型平面の幾何構造・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・27

§3.3 表裏対称平面の幾何構造・・・・・・・・・・・・・・・・・・・28

§3.4 表裏非対称平面の幾何構造・・・・・・・・・・・・・・・・・・36




第4章  時空平面の幾何

§4.1 宇宙と時空間と時空平面・・・・・・・・・・・・・・・・・・・38

§4.2 ユークリッド幾何の時空平面幾何への拡張 ・・・・・・・・・・ 39

付録1  名著名句・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 47



第5章  時空の対称性と相対性原理

§5.1 二つの慣性系の対称時空構造・・・・・・・・・・・・・・・・・50

§5.2 相対性原理の淵源・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・53

§5.3 異なる慣性系の同時の不一致・・・・・・・・・・・・・・・・・57

§5.4 時間の矢・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・59

付録2 光の正体追究史(光速測定と粒子説.vs.波動説およびエーテル説)・ 61



第6章  力学および特殊相対論小史

§6.1 相対性の着眼・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・62

§6.2 ニュートン力学と不変量・・・・・・・・・・・・・・・・・・・64

§6.3 光学と電磁気学の発展・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・69

§6.4 エーテルとの苦闘・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・70

§6.5 アインシュタイン登場・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・74

§6.6 相対論力学と不変量・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・76

§6.7 光速度不変の条件を使わないローレンツ変換・・・・・・・・・・82



問の略解・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・84

あとがき・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・97

参照文献,Web site,YouTube ・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・98

索引

著者紹介  算額 1 2×2行列の恒等式

著者略歴

著:藤森 弘章
1969年 早稲田大学理工学部応用物理学科卒業
詳しくは website (http://spatim.sakura.ne.jp/profile.html) をご覧ください.

ISBN:9784893901941
出版社:ぶんしん出版
判型:A5
ページ数:118ページ
定価:909円(本体)
発行年月日:2022年09月
発売日:2022年09月09日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:PH