対話を重視する枠もなく、要素にも分解されない記録とは
パソコンが鉛筆と紙にとってかわって、私たちは、すっかりその操作に順応している。エクセルの枠に文章をうめていくことにそれほど抵抗がなくなっているし、ワードの文章に図表を追加しようと思ったらスマートアートから選んで図表をつくる。しかし、私たちはいつのまにか、枠のなかで作業をすることを何も疑わなくなっているということはないだろうか。
最近の幼児教育における記録についてはどうだろうか。もし、そこに枠があって、書くように指示される要素があって、そこを埋めていく、ということが優先されるなら、枠からはずれ指示されないことのなかの、おもしろいこと、楽しいこと、重要なことが見落とされてしまうのではないだろうか。
本書は、おもしろいこと、楽しいこと、重要なことを大切している教諭たちによる、枠もなく、要素にも分解されない記録の提案である。
(本書「はじめに」を要約)