目 次
はじめに 1
序章 日本の生き残りをかけた戦い 12
第一節 問題の所在 12
戦い方の変化/ハイブリッド戦争時代の到来/日本の新たなアプローチ
第二節 ハイブリッド戦争概念をめぐる混乱 17
日本の論壇状況/米欧の状況/防衛大臣発言、『防衛白書』、『安保三文書』
第三節 本書の課題 26
第1章 ハイブリッド戦争の理論 28
第一節 米欧における概念の発展 28
4GW理論/ハイブリッド戦争概念の登場/「対テロ戦争」の作戦上の概念/米国・イスラエルが警戒するイラン/イラン・イスラム革命防衛隊と代理勢力(プロキシー)/関心
の薄かったNATO/二〇一四年以降のヨーロッパ/ハイブリッド戦争を定義付ける
第二節 ロシアによる独自の解釈 42
米欧とはまるで異なるロシア/スリプチェンコの「非接触戦争論」/ドゥーギンの「ネットワーク中心戦争論」(NCW)/いわゆる「ゲラシモフ・ドクトリン」/ギブリード
ナヤ・バイナー
第三節 情報戦の理論 52
情報戦とは何か/積極工作/影響工作
第2章 ロシアがしかけるハイブリッド戦争 61
第一節 ロシアの情報戦体制 61
「ペレストロイカのエージェント」を探して/ロシアの陰謀論的世界観/ロシアの情報戦の手段/ロシアの情報戦アクター
第二節 米国にしかけられた情報戦 68
暴露/余談/準備/IRAの攻撃開始/GRUの攻撃開始/連邦議会襲撃
第三節 日本にしかけられた情報戦 81
「旅の道連れ」/「知の巨人」/ディープ・ステート陰謀論/「本物の知の巨人」/民族派右翼/ロシアの「友達」/反米左翼/「平和運動」/時限爆弾
第3章 中華人民共和国が及ぼすハイブリッド脅威 98
第一節 中華人民共和国のハイブリッド戦争体制 98
中国人民解放軍改革/智能化戦争/認知領域における闘争への関心/総体国家安全観/海洋アクター/情報アクター/工作アクター/ソフト・パワーとシャープ・パワー
第二節 大国間競争 113
日米の『国家安全保障戦略』/一帯一路/ハンガリーとセルビア/NATOの対中警戒
第三節 中華人民共和国の論理 123
「人類運命共同体」/「中国」(チャイナ)とは何か/「正統」をめぐって/未完の「中国」
第4章 揺れる国際秩序 134
第一節 ハイブリッド戦争の脅威 134
ハマス・イスラエル戦争/イランのしかけるハイブリッド戦争/フーシー派の加勢/ベラルーシ難民危機/移民・難民の「武器化」/中露関係の深化/緊張高まる中台関係
第二節 国際政治学理論の弊害 153
主要三理論/リアリズム(現実主義)/リベラリズム(理想主義)/コンストラクティビズム(構成主義)/認知領域への影響/現実に基づかない「理想主義」の弊害
第三節 世界観の衝突 162
再びドゥーギン/ドゥーギンの「地政学」/「主権」そして「多極」
終章 ハイブリッド戦争の時代を生き抜く 174
第一節 見えてきたのもの 174
ハイブリッド戦争の暫定的評価/日米比較/イスラエルの場合/最重要概念としてのハイブリッド戦争
第二節 日本の生き残り 178
日本の安全保障体制/防衛省・自衛隊の情報戦対策/外務省の情報戦対策/偽情報対策/経済安全保障/最先端を行くチェコ/多角的・多層的な安全保障協力/通常抑止の強化/自衛権との関わり/「力」の構想
おわりに 202
主要参考文献 210
脚註 221