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現代語で読む 林子平の海國兵談

編著:家村 和幸
著:林 子平

紙版

内容紹介

「日本橋から唐、オランダまで境なしの水路なり」-江戸時代中期、ロシア船の来航に危機感を抱いた兵学者・林子平(はやししへい)は、外敵から日本を守る戦略・戦術・戦法の入門書『海國兵談(かいこくへいだん)』を著し、大砲と軍艦の配備を訴えた。それから60余年、ペリー率いる黒船艦隊の再来航を前に「大砲を数多く製造し、これらを陸地に設置する」という林子平の発想が品川台場として実現。さらに外国船に打ち勝つ方策を学んだ攘夷の志士たちは「黒船恐れるに足らず」との自信を持ち、それが維新の原動力となっていく。太平の世に警鐘を鳴らした先覚者・林子平の『海國兵談』全文を現代語訳!

目次

海兵談序

海國兵談自序

第一巻 水戦(海上における戦闘)

第二巻 陸戦(陸上における戦闘)

第三巻 軍法及び物見(軍の刑法・規則と偵察・斥候)

第四巻 戦略(作戦戦略・戦術・戦法)

第五巻 夜戦(夜間における戦闘)

第六巻 撰士及び一騎前(士卒の選抜と個人装備品・各個の戦闘)

第七巻 人数組附人数扱(部隊の編制・編成、部隊を動かす手段・方法について付記)

第八巻 押前、陣取、備立及び宿陣、野陣(行進、集結、戦闘展開と宿営、野営)

第九巻 器械及び小荷駄附糧米(兵器・戦闘用資器材と兵站について付記)

第十巻 地形及び城制(地形の概要と城築城)

第十一巻 城攻め及び攻具(攻城戦と城を攻めるための資器材)

第十二巻 籠城及び守具(籠城戦とを守るための資器材)

第十三巻 操練(部隊訓練)

第十四巻 武士の本体及び知行割・人数積 附制度法令の大略 (武士のあるべき姿と土地支給の割当・出動可能人馬の算定基準、制度・法令の概要を付記) 20

第十五巻 馬の飼立、仕込様 騎射の事(馬の飼育、調教法、馬上弓射に関して付記)

第十六巻 略書(総括 文武両全の国家統治、優れた将軍の条件、経邦済世の術等の概要)

初巻から第十五巻までは、水陸の戦闘について述べたものである。略書は文武相兼ねて国家を経済し、食料を満たし、兵を充足することの意義を論じることで、大将の心得とし、兵士の心印とするものである。読者自身の事情を踏まえ、さらなる工夫を加えよ。(林子平述)

林子平自跋

解題 林子平の生涯と『海國兵談』日本兵法研究会会長 家村和幸

著者略歴

編著:家村 和幸
兵法研究家。防衛大学校卒。北海道の普通科や機甲科部隊にて小銃手、戦車小隊長、情報幹部、運用訓練幹部として勤務。その後、方面総監部兵站幕僚、戦車中隊長、陸上幕僚監部教育訓練幕僚、偵察隊長、幹部学校戦術教官、研究本部員を歴任。第一線の歩兵・戦車兵から部隊運用、兵站、教育訓練、研究開発まであらゆる軍務を経験。退官後は日本兵法研究会会長として、戦略・戦術・戦法、武士道精神、古代史等を研究しつつ、広く国民に普及する活動を展開している。
著:林 子平
1738年幕臣岡村良通の次男として江戸で生まれる。叔父・林従吾(医師)に預けられる。伊達藩校「養賢堂」入校。仙台藩内を踏査。建白書『富国建議』執筆し、藩に提出。1772年蝦夷地探訪、75年長崎遊学しオランダ商館長ヘイトに出会う。77年唐人暴動を鎮圧。81年建白書提出。82年長崎で『蘭船図説』発行。85年『三国通覧図説』著す(48歳)。91年『海國兵談』全16巻38部刊行(54歳)。92年小伝馬町牢屋敷に入牢。93年写本4部作成後、仙台で病死(56歳)。

ISBN:9784890634262
出版社:並木書房
判型:4-6
ページ数:360ページ
定価:2200円(本体)
発行年月日:2022年10月
発売日:2022年10月17日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JWK