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元狙撃教官が語る 狙撃の道

著:松岡 勝樹
著:二見 龍

紙版

内容紹介

3年で世界に通用する狙撃手を育成しろ。
全くの手探り状態から狙撃課程を立ち上げ、陸上自衛隊の〝狙撃の道〟を切り開いた初代狙撃教官・松岡勝樹元3尉と、実戦的な訓練で最強の部隊をつくりあげた二見龍元連隊長の熱血対談。狙撃チームの任務と役割、情報収集と火力誘導、狙撃手の資質と適性、理想のスナイパー銃と弾薬……等々、ウクライナ戦争でもその有効性が実証されている現代スナイパーの実像!

目次

 はじめに(二見 龍)1

第1章「狙撃・スナイパー」との出会い 13

「誰が狙撃銃の教育を担当するのか?」13
 FBIスナイパーアカデミーの射撃術を学ぶ 18
 偶然の出会いから道が開ける 26
「対人狙撃銃集合教育」の開始 28
 中央即応連隊への異動 32
 米海兵隊「アーバン・スナイパーコース」へ 35
 中央即応連隊で狙撃教育を開始する 40
「狙撃課程」創設、再び富士学校へ 45

第2章 狙撃手になるには? 58

 狙撃教育の内容と狙撃手候補者の資格 58
 スナイパーの資質と適性 63
 海上自衛隊哨戒機クルーのチームワークに学ぶ 66
 視力とメガネの着用 70
 チャレンジする者を正しく評価する 75


第3章 スナイパーの任務と行動 91

 スナイパーの主任務は「情報収集」91
 敵に発見されたら離脱を優先する 93
 狙撃以上に有効な火力誘導 96
 観測手(スポッター)の役割 98

第4章 スナイパーの能力を高める 109

 スナイパーとスカウトの共通点 109
 アメリカ先住民の髪が長い理由 111
 スナイパーのサバイバル技術 114
 ストーキング技術 116
 狙撃と日本人の潜在的特性 119
 対スナイパーの行動 122
 生き残る訓練 124


第5章 スナイパーの育成 135

 島嶼戦で日本兵はスナイパーとして戦った 135
 狙撃手の養成 138
 失敗した者を褒める 142
 教育訓練のレベルは落とせない 145
 効果的な教育・訓練を実現するには 149


第6章 スナイパーライフルと装備品・装具 162

 スナイパーの装備 162
 装備品の品質 166
 狙撃銃とサプレッサーはセットで配備する 170
 耳栓は高性能なものを 174


第7章 実戦で本当に使える銃とは 188

 銃のメンテナンスもできていなかった自衛隊 188
 イラク派遣で増えた実弾射撃訓練 191
 海水に浸かっても確実に作動する銃 194


第8章 スナイパーの運用が作戦の可能性を広げる 213

 スナイパーの役割を積極的に伝えていく 213
 重要施設警備・防護にも適しているスナイパーの能力 215
「この兵士ならいっしょに戦える」218


第9章 さらなる〝狙撃の道〟を究める 230

 退職後も特技を活かせる制度づくり 230
 組織を改革する「1パーセント、5パーセント理論」235
 実戦で戦い抜く力をつける 238
 日本船舶にスナイパーチームを 241


[解説1]情報活動とスナイパー 52
スナイパーの任務/情報小隊とスナイパーの連携/斥候やスナイパーに求められる能力

[解説2]スナイパーの適性とマインド 79
兵士の「道徳心」/スナイパー特有の心理状態/任務への集中と心の安定/任務必達の
マインド/射撃技能と「射撃のセンス」

[解説3]情報活動とスナイパー 103
情報活動のプロセス/スナイパーの情報活動

[解説4]スナイパーの実戦 126
狙撃のテクニック/観測手の役割と任務/市街地とフィールドにおける戦闘のちがい/
スナイパーチームの運用
[解説5]スナイパー教育 153
教育・訓練レベルの向上/米軍の狙撃課程(松岡勝樹)/より専門性の高い知識と技能
(松岡勝樹)/IR、サーマルの活用とその対策

[解説6]スナイパーライフル 177
狙撃銃と狙撃手の出現/陸上自衛隊の狙撃銃/スナイパーとマークスマン/射程距離延
長の趨勢

[解説7]スナイパーライフルに求める性能 196
理想的なスナイパーライフルとは?/米軍はなぜボルトアクションの狙撃銃を採用する
のか?(松岡勝樹)/スナイパーライフルに適した弾薬/M118LR弾薬について
(松岡勝樹)/サプレッサーとスコープ/「故障排除」への対応は十分か

[解説8]陸上自衛隊が強化すべき訓練 222
本物の訓練を追求するには/戦術教育への理解と普及/幹部と陸曹の意識統一

[解説9]戦力強化のための施策 245
これからの戦争へ対応できる実力の創出/再任用自衛官の活用

 おわりに 252

著者略歴

著:松岡 勝樹
1966年三重県生まれ。1984年陸上自衛隊入隊。第35普通科連隊に勤務しながら、名城大学理工学部二部に通学(1987年中退)。1988年3等陸曹、富士学校普通科部火器班・軽火器助教。中央即応連隊、普通科教導連隊、富士学校普通科部訓練班などに勤務。約15年にわたり狙撃の教育・訓練を担任。2021年退官(3等陸尉)。現在、商社勤務。栃木県在住。
著:二見 龍
1957年東京都生まれ。1981年防衛大学校卒業(25期)、陸上自衛隊入隊。第8師団司令部第3部長、第40普通科連隊長、中央即応集団司令部幕僚長、東部方面混成団長などを歴任。2013年退官(陸将補)。現在、株式会社カナデン勤務。また防災士として自治体、一般企業などで危機管理のアドバイザーを務める。著書に『自衛隊最強の部隊へ』シリーズ(誠文堂新光社)、『自衛隊は市街戦を戦えるか』(新潮社)、『弾丸が変える現代の戦い方-進化する世界の歩兵装備と自衛隊個人装備の現在』(誠文堂新光社)、『特殊部隊vs.精鋭部隊-最強を目指せ』(並木書房)、『自衛隊式セルフコントロール-絶体絶命の場面でも「最善手」を打てる極意』(講談社)など。毎月Kindle版(電子書籍)を発刊中。戦闘における強さの追求、生き残り、任務達成の方法などをライフワークとして執筆中。

ISBN:9784890634200
出版社:並木書房
判型:4-6
ページ数:260ページ
定価:1600円(本体)
発行年月日:2022年05月
発売日:2022年05月09日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JWCD