鷲の翼 F-15戦闘機
著:小峯 隆生
撮:柿谷 哲也
内容紹介
F‐15Jイーグルは、1980年代初頭航空自衛隊に導入され、それから40年近くのあいだ日本の空を守ってきた。その基本設計の優秀さと電子機器や搭載装備の近代化改修により、いまなおトップクラスの実力を有している。今後F‐35が増強され主力の座につくまでF‐15の時代はまだまだ続く。
本書は新田原基地の飛行教育隊をはじめ第305飛行隊、小松基地のウェポンスクール、アグレッサー部隊まで、現役の戦闘機パイロット「イーグルドライバー」を現地取材。さらに〝鷲神〟と呼ばれる空中戦の達人らの証言も収録。空自F‐15の軌跡と、ステルス時代の空戦の実相に迫る!
目次
はじめに
〝鷲神〟と呼ばれたパイロット/空中戦の様相
第1章 空飛ぶ教室──飛行教育航空隊第23飛行隊(新田原基地)
F‐15のふるさと/飛行隊の朝/F‐15発進/指導者の喜び/変えてはいけないもの/戦闘機乗りに求められる資質/戦闘機操縦者にゴールはない/パイロット学生の原点/初めての飛行訓練の感動/空飛ぶ教室/スランプを脱するには?/理想のパイロット像/若きサムライの夢/F‐15のコックピット/太田教官のファミリーヒストリー/その心は?/諦めない心/柔よく剛を制す/原点回帰/一人ひとりに合った教育を/ラガーマン/〝父子鷹〟戦闘機乗り/感謝の気持ちを持って/空中戦とは?
第2章 航空自衛隊とF‐15イーグル
最強戦闘機F‐15の誕生/各国のF‐15戦闘機/日本のF‐15戦闘機/ストライク・イーグルへの発展/F‐15戦闘機の実戦/航空自衛隊へのF‐15導入の経緯/最強戦闘機を選ばなければならない理由/F‐14対F‐15/1年遅れたF‐15戦闘機の配備/最終調達数は213機
第3章 伝説のイーグルドライバー
〝15人の鷲侍〟/米国留学/性能抜群のF‐15/F‐15の難点/「燃料漏れじゃないからOKだ」/F‐15臨時飛行隊/第202飛行隊/北の守りの最前線/F‐15対F‐104/新旧交代/戦闘能力点検/飛行教導隊、謎の連敗続き/T‐2教導隊の強さ/飛行教導隊の改革/T‐2からF‐15DJへ/F‐15で変わった訓練方式/第202飛行隊の伝統/2番機の人選/多忙な第202飛行隊/第202飛行隊の教育訓練/空中戦訓練/全主力戦闘機に乗った男/亜音速機から超音速機へ/複座戦闘機/パイロットは新しもの好き/第202飛行隊
第4章 空中戦の極意──真剣勝負を制する
負けず嫌いのイーグルドライバー/〝名刀〟F‐15/西垣隊長着任/部隊精強化の秘策/「コンバット・デパーチャー」の実践/硫黄島での実戦想定訓練/「やるべきことはやる」/「ベリーサイドアタック」/グリッド式エリアコントロール/飛行教導隊の巡回教導/すでに地上で全機撃墜?/真剣勝負の空中戦だった/西垣隊長が目指した日本一/戦技研究チーム/支援戦闘機の護衛任務完遂/ミサイルのミニマムレンジ実証研究/米海軍F‐14との対戦/F‐14から再戦の申し込み/FA‐18との対戦/強敵だった米空軍F‐15C/米海兵隊ハリアーとの対戦/最大の難敵はF‐104/空中戦の極意/次世代の空中戦
第5章 防空の最前線──第305飛行隊(第5航空団・新田原基地)
飛行隊始動/第305飛行隊発進/飛行隊の伝統/タックネームは「009」/爽快感と緊張感/空中戦で勝つには?/飛行隊長の役割/ミッション・ブリーフィング/パイロットへの道/ウイングマーク/戦闘機操縦課程/第305飛行隊に着任/戦闘機乗りの条件/さらなる目標/戦闘機パイロットにしかできない仕事/継承される伝統/ウェポンスクール/パイロットと兵器管制官/第305飛行隊に緊張走る!/RF‐4飛来/中国艦隊の出現
第6章 ウェポンスクール──第306飛行隊(第6航空団・小松基地)
小松基地/タックネーム「備前」の由来/第306飛行隊/ウェポンスクール教官に聞く/空中戦訓練の方法/空中戦の極意/最新装備がもたらすもの/ウェポンスクールVS飛行教導群/本来の訓練目的/第306飛行隊長室/航空優勢
第7章 アグレッサー飛行隊──航空戦術教導団(小松基地)
飛行教導群/赤い星/ファントムライダー出身/教導資格/F‐15を活かすには?/父子二代の「アグレッサー」/教育効果の重視/空中戦に白旗なし/未来の空戦とは?/戦闘機との出会い/部隊統率/巡回教導/F‐15と将来の航空戦/強さの源泉/F‐15の役割
おわりに──明日のパイロットたちへ
教訓を学ぶ/パイロットを目指す若者へ
ISBN:9784890633982
。出版社:並木書房
。判型:4-6
。ページ数:372ページ
。定価:1800円(本体)
。発行年月日:2020年05月
。発売日:2020年05月27日
。国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:KN。