出版書誌データベース

スギ研究一筋で30余年、現場をくまなく歩いた著者が貴重な知見をわかりやすく伝えます！

はじめに　３

第１章　スギのルーツを探る　13
１　日本のスギは最強の植物　13
２　スギの古里は東北地方　16
３　激動の時代を生き抜いたスギ　20
　１　スギの花粉生産特性　21
　コラム●日本最大のタテヤマスギ天然林　22
　２　スギの生存可能環境　25

第２章　スギの子育て　30
１　スギが生存できる明るさは？　30
２　実生更新　34
３　死亡原因　36
４　巨木への限られた道　39
５　伏条更新　42
６　実生・伏条　44
　コラム●ヤクスギ林の実生・伏条個体が意味するもの　46
７　スギの処世術　48

第３章　日本の代表的なスギ天然林　52
１　オモテスギとウラスギ　54
２　ヤクスギとタテヤマスギ　57
３　四国を代表するヤナセスギ　62
４　太平洋側最北端のマキノサキスギ　66

第４章　共存をもとめて　70
１　スギとブナの関係　70
　１　最終氷期以降のスギとブナの行動　70
　２　共存するスギとブナ　73
２　垂直分布の上限に生育するスギ　76
　１　寒冷地に生存できる理由　76
　２　積雪によって生育地が制限されるスギ　80
　３　遺伝的多様性を犠牲にしても生き残る　82
３　日本のスギは中国にも分布している　85
４　森林の伐採と再生　87

第５章　スギ巨木のつぶやき　91
１　自由に生きる　91
２　昔は役立たずといわれたが　93
３　神のみぞ知る　95
４　嘘だろう　97
５　根上り木の謎　101
６　出雲大社神殿の御柱は造林木　105
７　二世に厳しい共生木　106
８　獄門を逃れる農民の知恵　108
９　千年、いや万年が必要　111

おわりに　114
参考文献　117

著：平　英彰
1942年大阪生まれ
1965年信州大学農学部林学科卒業、富山県林務課勤務
1970年富山県林業試験場研究員
1997年新潟大学大学院自然科学研究科教授
2006年「スギ雄性不稔の研究」で林木育種賞受賞
2007年退職
2010年「雄性不稔スギの発見とその普及」で日本森林学会功績賞受賞