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―母を看取る心情をストレートに表現した「別れの讃歌」　34編の詩。
この詩集には子を慈しむ母のまなざしがある。愛する我が子を育てながら、ともに輝いた母の命がある。
母にも子にも、どこか自分と重なる感情を、思い出を、言葉を、詩の中に見つけてみてほしい。
あなたの「母の日」に寄り添う一冊。

はじめに
　「母の死」断想
母なるひとの眼差し
薔薇の眼差し
閉じられた瞼の奥に
母のいる風景
ニルバーナの舞う風景
いのちの面会
夢の道で
　「私の誕生」断想
名づけられた出会い
母なるひとよ　あなたは誰だったの
巡りあう　故郷へ
曼茶羅の風景
　「我が四恩」断想
我が四恩の風景
　「死者からのでんわ」
あなたはそんなにも会いたがっていた
お帰りなさい
帰りたいなぁ
　「仏心と仏性」
誰のでもない顔
触れられない心
あなたより先に逝った子どもたち
夜回りの足音
補陀落の海へ
石が羽ばたく日
あなたはそんなに孤独だった
別れの間際で
　「遺体」断想
わたしの生まれた場所
　「死者の想い」断想
看取りのニルバーナ
あなたの一息
　「存在と縁起」の断想
母の日のためのレクイエム
赤い星の眼差し
　「銀河鉄道」断想
銀河鉄道の駅から
　「心身脱落と即身成仏」断想
母なるひとのサクリファイス
むすひの海へ
母と子のためのパンニャパーラミター
　「リルケ墓碑銘」断想
薔薇の自画像
祈りの樹のみ手の中に
あとがき

著：松久　明生
松久　明生（まつひさ　あきお）

1951（昭和26）年名古屋市生まれ、北海道大学薬学部卒、医学博士（東京慈恵会医科大学）。密教学修士（高野山大学）
1985（昭和60）年～1992（平成４）年東京慈恵会医科大学（専攻生）
2004（平成16）年～2007（平成19）年千里ライフサイエンス振興財団企画委員等、製薬会社在職中併任（2018年）
2004（平成16）年～2012（平成24）年大阪府立大学客員准教授、

第一詩集『言葉の孤独』（2004年）
第二詩集『オルフェオの瞳』（2015年）