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絶対権力者、習近平の実像！
習近平政権の動きと、背後でうずまく権力闘争の構図を読み解き、今後の中国政治の行方を展望する。

　習近平主席が就任以来、自らの権力を強化するために推し進めてきた政策は主に三つある。一つは党の中に様々な分野の政策を統括する新組織を作るなど、これまでの組織を再改造し、自分が全ての頂点に立つことで、習近平主席一人の手にあらゆる権力が集中する体制を作り上げたこと。二つ目は、「虎（高級幹部）もハエ（下級官僚）もたたく」をスローガンに猛烈な勢いで進められてきた反腐敗キャンペーン。そして三つ目が、言論弾圧ともいえる、報道機関やインターネットに対する締め付けを強化し情報を統制することで支配権を握ろうとしてきた動きだ。

はじめに
第一章　メディアは「党」の姓を名乗れ！
第二章　習近平主席辞任要求の衝撃
第三章　中国言論統制の歴史
第四章　「南方週末」の元旦社説すり替え事件
第五章　動き出した習近平政権と言論規制
第六章　ジャーナリスト３０万人の大研修
第七章　「官製報道」をあざ笑うネット世論
第八章　言論統制の下で読者を拡大する「参考消息」
第九章　新聞スタンド強制撤去の波紋
第十章　インターネットの急速な普及がもたらした変化
第十一章　官製メディア報道への反発と当局の対応
第十二章　インターネットの監視強化と取り締まり
第十三章　国内規制の一方で対外情報発信を着々強化
第十四章　習近平主席の政策に新たな変化
おわりに

著：加藤 青延
１９５４年東京生まれ。東京都立青山高校、東京外国語大学を卒業後、１９７８年ＮＨＫ入局。香港支局長、北京支局長、中国総局長を歴任し、２００６年からＮＨＫ解説委員。